3. 年金はそもそも損得で判断すべきものではない

年金の本質は、老齢や障害などで働けなくなったときに備える保険です。

また、年金の損得は「自分は何歳まで生きるか」がわからなければ判断できません。

自分の寿命は誰にも分からない以上、元も子もありませんが損得を考えるだけ無駄といえるでしょう。

年金は終身に渡って支給されるので、繰下げ受給を検討するのもひとつです。

ただし、繰下げ受給をする際には年金を受給できない期間を考慮する必要があります。十分な貯蓄を用意したり、できるだけ長く働いたりして生活を維持しなければなりません。

つまり、単純に「年金は何歳から受給するのが得か」だけを考えるのではなく、何歳まで働く予定なのか、貯蓄はどの程度用意できそうかを考える必要があります。

自分のライフプランに応じて、年金を受け取る最適なタイミングは異なるといえるでしょう。

4. まとめにかえて

年金を繰上げ受給したときと繰下げ受給したときの損益分岐点は、額面ベースであれば判断できます。

しかし、自分の寿命はいつまでか事前に分からない以上、あまり意味がないシミュレーションといえるでしょう。年金の本質は保険であることを念頭に置き、最適な受け取りタイミングを考えてみてください。

参考資料

柴田 充輝