5. 年金の「繰下げ受給」って知っていますか？《年金が最大84％増える》
いまの年金制度では、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳から。この受給開始のタイミングを後ろ倒しすることで年金を増やす「繰下げ受給」の制度も準備されています。
年金増額率は「繰り下げた月数×0.7％」。上限年齢の75歳まで繰り下げた場合、年金額は84%も増えます。また、いったん決まった増額率は生涯適用されます。
5.1 繰下げ受給のメリット
繰下げ受給のメリットは、なんといっても「年金額が最大84％増額されること」
5.2 繰下げ受給のデメリット
繰下げ受給のデメリットは、まずは、受給開始までの収入が確保されていることが必要となる点でしょう。
また、受給開始後は、社会保険料や税金などの天引きが増え、実際の振込額を見ると総額を実感できない可能性も。さらには受給を開始してほどなくして亡くなってしまうケースもあります。
繰下げ受給を検討する場合は、資産状況や健康状態などを考慮しながら慎重に判断していく必要があると言えるでしょう。
例えば、本来の年金受給額が10万円の場合、75歳まで繰り下げた場合の受給額は18万4000円になります。
ただし、年金額が増えることにより、税金や社会保険料も増える点には注意が必要です。天引き額が増えることにより、手取りでみると増額のメリットを感じられない場合もあります。
また、寿命によっては受給期間が短くなり、受取総額で損をする可能性も考えられます。
70歳まで現役時代と同じペースで働く予定であるなど、ライフプランに合わせて繰下げ受給も検討すると良いでしょう。
