4. 《年金収入だけじゃ足りない現実》65歳以上・無職夫婦世帯「ひと月の生活費」はいくら?

ここからは総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」から「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」のひと月の家計収支に関するデータを紹介します。

4.1 65歳以上・夫婦のみの無職世帯「ひと月の生活費」

65歳以上「夫婦のみの無職世帯」ひと月の生活費はいくら?赤字は出そう?

65歳以上の生活費一覧

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」

月の収入

収入:24万4580円(うち社会保障給付)21万8441円

月の支出

  • 消費支出:25万959円
  • うち食料:7万2930円
  • うち住居:1万6827円
  • うち光熱・水道:2万2422円
  • うち家具・家具用品:1万477円
  • うち被服及び履物:5159円
  • うち保健医療:1万6879円
  • うち交通・通信:3万729円
  • うちその他:5万839円
  • 非消費支出:3万1538円

消費支出合計28万2497円

月の収支:▲3万7916円

ここで紹介する世帯の場合、支出合計は28万2497円。先ほど紹介した「モデル年金」を受け取る夫婦世帯であれば、5万円ほどの赤字になります。

もちろん今回ご紹介したデータは、あくまでも「平均額」。もちろん実際に必要となる生活費は、健康状態や居住地、ライフスタイルなどにより世帯差があります。

この支出の中に「介護費用」が含まれていない点も留意しておく必要があるでしょう。

「働き盛りの元気な時に購入した自宅で、思わぬ段差につまづきケガをしてしまった……」

そんな出来事をきっかけに、介護リフォームを考えたくなるかもしれません。医療費や介護費用がかさんでくることも想定しておく必要があるでしょう。

「人生100年時代」と言われる長い老後。公的年金だけに頼ることは難しいと実感する世帯は決して少数派ではないはずです。