来る8月15日は2カ月に一度の公的年金支給日。前月までの2カ月分が口座に振り込まれる日ですね。
公的年金の年金額は、物価や現役世代の賃金を考慮して年度ごとに見直しが行われており、2024年度は前年よりも2.7%増額に。
2年連続のプラス改定となったことは一見喜ばしいニュースのように思えますが、止まらぬ物価上昇には追い付けていないのが現状です。
本記事では、現在のシニア世代のお金事情に関するデータを整理しながら、厚生年金と国民年金の平均月額や、標準的な世帯の家計収支の様子を眺めていきます。
現役世代のみなさんに最後までご覧いただき、老後資金準備のヒントにしていただければと思います。
1. 日本の年金制度は2階建て!
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)
- 加入対象:日本国内に住む20歳以上60歳未満の人
- 年金保険料:全員一律
1.2 厚生年金(2階部分)
- 加入対象:公務員やサラリーマンなどが、国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
日本の公的年金は図のような2階建て構造となっており、1階部分にあたる国民年金と、2階部分にあたる厚生年金で構成されています。
働き方や過ごし方などにより、現役時代に加入する年金制度は変わります。具体的には、自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)などは国民年金に、会社員や公務員などのいわゆるサラリーマンは、厚生年金に加入します。
国民年金は「基礎年金」とも呼ばれる年金制度のベース部分。20歳から60歳までの480カ月もれなく年金保険料を納めた場合、老後に満額の国民年金を受け取れます。また、年金保険料を納めていない月数に応じて、満額から差し引かれる仕組みです。
厚生年金は、毎月の報酬によって決められた年金保険料を支払います。老後の年金受給額は、納付した年金保険料で決まってきます。つまり、長く働き、多く稼いだ人ほど、多く年金をもらえる(ただし上限あり)しくみです。
次では、今のシニア世代が厚生年金と国民年金をひと月どのくらい受け取れているかを見ていきます。