1.1 社会保険の加入対象(短時間労働者)の要件

  • 従業員「101人以上」の企業に勤務
    なお、2024(令和6)年10月には従業員「51人以上」の企業にまで拡大します。
  • 週20時間以上で勤務
  • 所定内賃金が月額8万8000円以上(年収約106万円)
  • 2カ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

【写真全2枚中1枚目】加入対象(短時間労働者)要件まとめ。2枚目では、【厚生年金】報酬比例部分の計算式モデルを掲載。

加入対象(短時間労働者)要件

出所:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内」

年収130万円未満で働くパートタイム等が、厚生年金への加入義務が生じることを「106万円の壁」と呼びます。

パートタイム等で働く場合、年収106万円未満で夫の扶養に入るのか、年収106万円超となり厚生年金に加入するのかによって、将来受け取る年金の金額に差がでます。

次の章で、受給できる年金の金額差を試算していきましょう。

2. 正社員とパートタイム、20年間でもらえる年金はどのくらい違うの?

次は、仮に現在40歳のAさんが60歳まで正社員で働く場合と、パートタイムで働く場合とでそれぞれ20年間で得られる年金をざっくり試算してみましょう。

老齢厚生年金の受給額は、厚生年金加入期間と、加入期間中の平均的な給料収入等(平均標準報酬額)によって計算されます。

老齢厚生年金の受給額(報酬比例部分)の年金額は、本来水準と従前額保障の2つの計算式があります。

【厚生年金】報酬比例部分の計算式モデル

【厚生年金】報酬比例部分の計算式モデル

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」

  • 老齢厚生年金受給額=A+B
  • A=平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数
  • B=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数
    (1円未満は四捨五入)

今回は上記2つの計算式のうち「B:平成15年4月以降の加入月数」を使用して計算します。