数年前に「老後2000万円問題」が大きな話題となったことから、老後資金の目安として2000〜3000万円を目標金額に設定している人も多いのではないでしょうか。
「貯蓄3000万円以上」を達成することは、人生の大きな節目となります。しかし、物価上昇が進む現代において、思うように貯蓄が進まない世帯も多いでしょう。
では、30歳代〜70歳代で「貯蓄3000万円以上」を達成している人はどのくらいいるのでしょうか。
本記事では、「貯蓄3000万円以上」の割合を30歳代〜70歳代で比較して紹介していきます。
65歳までに貯蓄3000万円を達成するための資産運用シミュレーションも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 【年代別】平均貯蓄額はいくら?
まずは、各年代における平均貯蓄額から見ていきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、30歳代〜70歳代の2人以上世帯の平均貯蓄額は下記のとおりです。
【写真全6枚中1枚目】30歳代〜70歳代の2人以上世帯の平均貯蓄額。2枚目以降では、年代別2人以上世帯・単身世帯の貯蓄3000万円以上の達成割合などを掲載1/6
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとに筆者作成
1.1 2人以上世帯の貯蓄額
30歳代
- 平均貯蓄額:601万円
- 中央値:150万円
40歳代
- 平均貯蓄額:889万円
- 中央値:220万円
50歳代
- 平均貯蓄額:1147万円
- 中央値:300万円
60歳代
- 平均貯蓄額:2026万円
- 中央値:700万円
70歳代
- 平均貯蓄額:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 単身世帯の貯蓄額
30歳代
- 平均貯蓄額:594万円
- 中央値:100万円
40歳代
- 平均貯蓄額:559万円
- 中央値:47万円
50歳代
- 平均貯蓄額:1391万円
- 中央値:80万円
60歳代
- 平均貯蓄額:1468万円
- 中央値:210万円
70歳代
- 平均貯蓄額:1529万円
- 中央値:500万円
平均値の場合、極端に貯蓄額が多い人がいると、平均値が偏る傾向にあるため「実態に近い貯蓄額」を確認したい場合は中央値を参考にすることをおすすめします。
中央値をみると、2人以上世帯・単身世帯ともに年代が上がるにつれて徐々に貯蓄額が増加傾向となります。
ただし、平均値と中央値の差が大きく開いていることから、「貯蓄が十分にできている世帯」と「貯蓄ができていない世帯」で二極化傾向している現状がみてとれます。
平均値・中央値ともに、貯蓄3000万円には程遠い金額となっていますが、果たして貯蓄3000万円以上を達成している割合はどのくらいなのでしょうか。
次章にて、確認していきましょう。
2. 【30歳代〜70歳代】貯蓄3000万円以上の割合が一番多い年代は?
次に30歳代〜70歳代の貯蓄3000万円以上の達成割合を見ていきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、30歳代〜70歳代の2人以上世帯・単身世帯の貯蓄3000万円以上の達成割合は下記のとおりです。
2.1 2人以上世帯で「貯蓄3000万円以上の割合」
- 30歳代:4.0%
- 40歳代:6.5%
- 50歳代:11.2%
- 60歳代:20.5%
- 70歳代:19.7%
2.2 単身世帯で「貯蓄3000万円以上」の割合
- 30歳代:4.0%
- 40歳代:4.3%
- 50歳代:9.3%
- 60歳代:15.1%
- 70歳代:17.3%
2人以上世帯・単身世帯ともに、30歳代・40歳代の貯蓄3000万円以上の達成割合は1割未満となっています。
50歳代以降から徐々に割合が高くなっていますが、老後を迎えている年代である60歳代〜70歳代でも、貯蓄3000万円以上を占める割合は1〜2割程度にとどまる結果に。
近年における年金支給額の減少や医療費の増加など、老後生活の費用負担が重くなっており、3000万円以上の貯蓄を目指す必要性が高まっています。
老後資金として3000万円以上の貯蓄を達成するためには、早いうちから計画的に貯蓄を始めることが重要です。
具体的には、毎月の給与から一定額を貯蓄に回したり、ボーナスを貯蓄に充てたり、家計を見直して節約したりといった方法が有効と言えるでしょう。
また、資産運用を活用して貯蓄を増やす検討ができれば、預金よりも効率的に資産を増やしやすくなります。
次章にて、65歳までに貯蓄3000万円以上を達成するための資産運用シミュレーションをしていきましょう。
3. 貯蓄3000万円以上を達成するための資産運用シミュレーション
年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっていますが、65歳までに貯蓄3000万円を達成するには、毎月いくら積み立てる必要があるのでしょうか。
本章では、年率3%だと仮定して、2つの積立条件でシミュレーションをしていきます。
3.1 45歳から20年間、資産運用をした場合
45歳から20年間、資産運用を行う場合、毎月「約9万円」を積み立てれば、65歳までに貯蓄3000万円を達成できます。
【内訳】
- 元本:2193万円
- 運用利益:807万円
預貯金の場合は、毎月9万円を積み立てても約2000万円にしかなりませんが、資産運用を活用することで約800万円の老後資金を増やすことが期待できます。
では、より期間を短くした場合はどうでしょうか。
3.2 55歳から10年間、資産運用をした場合
55歳から10年間、資産運用を行う場合、毎月「約21万円」を積み立てれば、65歳までに貯蓄3000万円を達成できます。
【内訳】
- 元本:2576万円
- 運用利益:424万円
10年間と20年間で運用利益を比較すると、20年間の方が利益率が約2倍となっています。
- 10年の場合:424万円
- 20年の場合:807万円
投資期間が長いほど「複利の効果が働く」ため、20年間投資のほうが、元本が少なくかつ利益が多くなっています。
上記をふまえ、資産運用は長期的に実施するほど、複利の効果で利益を生み出しやすくなるため、早いうちから利用を検討してみることをおすすめします。
4. 老後に向けて今のうちから備えをしよう
本記事では「貯蓄3000万円以上」の割合を30歳代〜70歳代で比較して紹介していきました。
貯蓄3000万円以上を達成している割合は、どの年代も1割程度となっており、老後を迎えている60歳代〜70歳代でも1〜2割です。
老後2000万円問題が話題となったように、現状の年金受給額では老後生活が赤字になることが予想されます。
そのため、年金だけに頼らない資金作りを今のうちから始めておけると安心できます。
老後資金を準備する際は、資産運用も検討し、効率よく資金準備ができると良いでしょう。




