課長や部長といった「中間管理職」への昇進は、年収アップやキャリアアップにつながることから、「いつかはなりたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、厚生労働省が2024年3月に公表した最新の実態調査によると、中間管理職の給与事情はシビアなものになりつつあります。

本記事では、部長や課長クラスの中間管理職の給与事情について詳しく紹介していきます。

中間管理職に「なりたい人」と「なりたくない人」の意見についてもまとめているので、今後のキャリア選択の参考にしてください。

1. 中間管理職の平均賃金はいくら?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、係長・課長・部長の平均賃金は下記のとおりです。

【写真全4枚中1枚目】役職別・性別:賃金対前年増減率および役職・非役職間賃金格差。2枚目以降では「管理職への意向」に対する本音などを掲載。

【役職別・性別】賃金対前年増減率および役職・非役職間賃金格差

出所:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

  • 部長級:59万6000円(60万4100円・52万1000円)
  • 課長級:49万800円(50万700円・43万800円)
  • 係長級:37万800円(38万2300円・33万5900円)

非役職者の平均賃金は29万1100円(男性31万1900円・女性26万300円)であることから、役職についているか・いないかで賃金に大きな差が生じていることがみてとれます。

部長クラスの場合、平均賃金は約60万円、課長クラスでは約50万円、係長クラスでは約37万円と、中間管理職の位が上がるごとに約10万円ほどの年収アップにつながっています。

給与面だけをみると魅力的に思える中間管理職ですが、役職につけば責任感や請け負う業務も増えることになります。

では、現在働いている現役世代において、中間管理職は「なりたい」「なりたくない」どちらの意向が多いのでしょうか。

次章にて、実際のアンケート調査からその実態をみていきましょう。