4. 100%年金だけで生活する高齢者は41.7%
2024年7月に公表された厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」から、公的年金・恩給の総所得に占める割合を見てみます。
公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯(年金収入だけで生活できている高齢者世帯)は41.7%に留まります。
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
残りは稼働所得や貯蓄の取り崩し、あるいは子世帯からの援助等で補っています。
経済的な心配がない世帯は、上記の41.7%に入るか、年金は十分でなくとも貯蓄が十分にある世帯とうかがえます。
稼働所得がある場合でも、いつまでも働けるわけではないことを意識し、備えている世帯が多いのではないでしょうか。
5. FPが伝える老後準備
シニア世代の貯蓄や年金額を確認すると、70歳代の貯蓄額や年金額も個人差があることが分かりました。個人差があるため、必要な準備もそれぞれ違います。
ファイナンシャルプランナーである筆者が老後準備のコツを伝授します。
5.1 老後の理想の生活を考える
準備をするにも老後生活でどれぐらいお金が必要かは知る必要があります。
「ゆとりをもって生活をしたい」のか。それならどれぐらい生活費がかかるのか。介護状態になればどれぐらいお金がかかるのか等をしっかりと知って準備をする必要があります。