3. 65歳以上の二人以上世帯の貯蓄状況とは？
統計局が5月17日に公表した「家計調査報告（貯蓄・負債編）2023年（令和5年）平均結果の概要（二人以上の世帯）」によると、65歳以上世帯の貯蓄残高の平均値は2462万円、中央値は1604万円です。
2500万円以上の貯蓄を持っている世帯は全体の約34%、2000万円以上まで広げると約41%となります。
裏を返すと、50%以上の世帯は貯蓄が2000万円に達しておらず、ゆとりある老後生活を送るには少々不安がある状況です。
特に、貯蓄が100万円未満の世帯が約8%、500万円未満の世帯が約22％と、充分な蓄えがない世帯も一定数います。この貯蓄状況は、高齢者の就労率（65歳～70歳で過半数）とも整合性があるといえるでしょう。
充分な貯蓄がないために、高齢となっても就労を継続している世帯が一定数いると推測されます。
同資料では、貯蓄の資産構成もまとめられています。こちらは65歳以上の無職二人以上世帯の構成です。
過半数は預貯金で構成されており、そのほかに生命保険が16.5%、有価証券が19.2%となっています。
進行するインフレなどのリスクを踏まえると、資産が預貯金だけという状態では、実質的な価値の目減りが懸念されます。
高齢者世帯でも、一定程度は有価証券などでの投資を継続するのも1つの手段といえるでしょう。
