「老後2000万円問題」が話題となりましたが、年金だけでは老後を不安に感じてしまう人も少なくないでしょう。一般的な退職年齢とされている65歳以降も働き続けなければ、と考えている方も多いのではないでしょうか。

実際に、定年退職後も再雇用や定年延長で働く人は増加しており、企業においても高齢者の雇用が増えてきています。

そこで本記事では、シニアの就業率、貯蓄、年金額の実態についてご紹介していきます。

記事の後半ではシニア世代の家計収支についても触れていきますので、老後資金の準備の参考にしてみてください。

1. 60歳代後半では過半数が就業を継続

内閣府「令和5年版高齢社会白書」によると、年代別の就業率は次の通りです。

2022年時点でみると、60歳代後半では50.8%と過半数が就業を維持しています。

その後、70歳代前半で33.5%、70歳代後半以上で11.0%と、徐々に就業率は低下していく傾向にあります。

統計値を見る限り、70歳代後半になって初めて、大半の方が引退済みの状態と考えられます。

【写真1枚目/全5枚】年齢階級別就業率の推移。後半の写真では、シニアの年金額や貯蓄残高に迫る

年齢階級別就業率の推移

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向(1) 1 就業・所得」