4. 年金だけに頼らない対策!FPからの提案
年金額を見て、十分に足りていると思った方もいれば、これだけしか受け取れないのかと思った方もいるのではないでしょうか。
年金に頼るだけではなく、ご自身で計画的にお金の準備をしておくことが大事です。
そのための方法として、現在は保険、投資信託、株、債券、FX、仮想通貨、不動産投資などさまざまな選択肢が出てきています。重要になるのは、いくらをいつまでに準備する必要があるかという点です。
老後に働き続けたとしても、年収が下がるのは避けられないでしょう。会社員の方であれば、ご会社の人事規定を把握することも大切です。
筆者は個人向け資産運用、保険の見直しのコンサルティング業務を行っていますが、毎日のように資産運用の相談を受けます。しかし退職金などについては、「あると思いますがわかりません」「たぶんあると思います」という回答がほとんどです。
これは老後を大きく左右するポイントですので、運用などを考える前にご自身の現在の状況から把握していきましょう。
その上で、いくら足りないのか、どういうリスクがあるのかを見ていくとより、具体的かつ独自のポートフォリオができあがってきます。
5. まとめにかえて
年金額は毎年改定を繰り返していますが、「増額」と思っても実質は減額という背景があるものです。
物価上昇の今、老後資金の確保が難しいものの、同時に「お金を守る」ことも重要になってきます。苦労して貯めた1000万円が、インフレが進む20年後に同じ価値を残しているとは限らないからです。
こうしたリスクに備えるには、資産運用に回すのも選択肢のひとつでしょう。
預貯金こそ安心というイメージもありますが、どちらにもメリットデメリットがあるので、両者で補えるのが理想です。
公的年金だけをあてにせず、自分に合う方法で長期的に資産を形成していきましょう。
5.1 【ご参考】厚生年金の平均年金月額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
5.2 【ご参考】国民年金の受給額(全年齢)
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 首相官邸Instagram
渡邉 珠紀