6. 地方公務員の収入にまつわるよくある質問
地方公務員の収入に関する質問に、元公務員の筆者が回答します。
6.1 地方公務員の初任給はいくら?
総務省の「令和4年地方公務員給与の実態」によれば、地方公務員(一般行政職員)の初任給の平均額は以下のとおりでした。
- 大学卒:18万7686円
- 短大卒:16万7541円
- 高校卒:15万4142円
公務員の初任給は、民間企業と比べると決して高くありません。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに、民間企業の初任給を見てみましょう。
- 大学卒:23万7300円
- 短大卒:21万4600円
- 高校卒:18万6800円
公務員とは3万円〜5万円程度の差があります。
公務員の給与は勤続年数が重要になると考えられます。
6.2 地方公務員の退職金はいくら?
総務省の「令和4年地方公務員給与の実態」によれば、地方公務員(一般行政職員)の平均退職金額は、2208万7000円でした。
これは25年以上勤続後の定年退職金の平均であり、ほかのケースでは以下のとおり金額が下がります。
- 11年以上25年未満勤続後の定年退職:1159万6000円
- 自己都合:255万6000円
6.3 地方公務員に転職したい場合はどうしたらいい?
地方公務員に転職したい場合、まずは自治体や組織の採用ページを見てみましょう。
試験の申込期限や応募資格をよく確認し、自分が応募できるかどうかを確かめてください。
また、試験対策も必須です。
公務員試験は、いわゆる「SPI試験」に似た内容の問題と、学生時代に勉強した一般知識問題が出題されます。
また、小論文、集団面接など、自治体ごとに独自試験を用意している場合もあります。
参考書などで勉強を進めつつ、面接対策もしておくとよいでしょう。
なお、自治体によっては社会人採用で年齢制限が設けられている場合があります。
もし地方公務員に転職したいと考えているのであれば、早めに行動するとよいでしょう。
7. まとめ
地方公務員の給与は、務める自治体や職種、勤続年数によって変わります。
民間企業より給与が低い時期もあれば高い時期もあるため、年収アップのための公務員転職は、慎重な判断が必要です。
一方、公務員の給与は景況に左右されにくいため、安定して一定額を受け取れるのが強みといえます。
業績を追うのに疲れたという人や安定した雇用に魅力を感じる人は、公務員への転職を検討してみるとよいでしょう。
参考資料
- 特別区人事委員会「令和6年度経験者採用試験・選考の試験・選考区分及び採用予定数」
- 横浜市「試験・選考」
- 札幌市「試験概要」
- 総務省「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
- 上川町「上川町の人口」
- 総務省「令和4年地方公務員給与の実態 初任給」
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 新規学卒者」
- 総務省「令和4年地方公務員給与の実態 団体区分別、職員区分別、退職事由別、年齢別退職者数及び退職手当額(定年退職-再掲)」
石上 ユウキ