5. 60歳代からでも資産形成はできるか
8月に夫婦で「約46万円」「約67万円」支給される夫婦の違いはどこにあるのか解説しました。これまでの年収や業種、キャリアによって年金額は変わっていきますが、65歳以降もまだまだ人生は続いていきます。
年金をもらいながら資産運用を行っていくことが大切な時代になってきたため、今あるお金の活用方法をしっかりと考えていきましょう。
最近話題のNISAですが、中身が投資信託であるため20年以上の運用が望ましいとされています。もし比較的短期の運用を考えるのであれば、いまは米国金利が高いため、ドル建ての債券運用も選択肢のひとつです。
債券運用は年金のように毎年利息を受け取っていく方法と、複利を生かして10年後に元本を増やして一括でもらうという2種類の方法があります。
また債券運用は金利を10年や20年と固定化できるため、投資信託よりもリスクを抑えつつ、堅実な運用ができるのも魅力の一つです。
とはいえ、運用ではリスクをゼロにできません。リスク許容度をしっかり見極めたうえで、ご自身の性格や相性にあった運用方法を見つけていきましょう。
6. まとめにかえて
今回は年金制度や受給額について確認してみましたが、注意点として、この年金の受給額はあくまで目安でしかないという点に留意が必要です。
今後、さらなる人口減少や円安が加速した場合、今よりも年金のもらえる金額が少なくなる可能性があります。
多くもらえる分には問題ありませんが、少なくなってしまった場合、やはり一人ひとりの資産運用が大切になってきます。
いつか資産運用を始めようでは、なかなか始めることはできません。
まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
【編集部よりご参考】
参考までに、厚生年金の平均額は額面で14万3973円、国民年金の平均額は額面で5万6316円です。
ただし、実際の受給額は個人差が大きいのが特徴なので、受給額ごとの人数もご紹介します。
厚生年金受給額ごとの人数
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
国民年金受給額ごとの人数
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
杉田 有毅