7月5日に厚生労働省が公表した「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活できている高齢者世帯は41.7%にとどまるとのことです。

物価高により家計の負担が増えている今、年金収入だけでは赤字となる世帯が増えているものと思われます。

今回は、厚生年金と国民年金の平均受給額や、公的年金・恩給の総所得に占める割合について見ていきます。

記事の後半では、「年金だけに頼らない」今から始める老後対策3選をご紹介しているので、ぜひご参考にしてください。

1. 厚生年金と国民年金の平均受給額

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号) 受給権者の平均年金月額は14万3973円、国民年金は5万6316円とのことです。

男女別の平均年金月額は以下の通りです。

1.1 男性の年金額

  • 厚生年金:16万3875円
  • 国民年金:5万8798円

1.2 女性の年金額

  • 厚生年金:10万4878円
  • 国民年金:5万4426円

年金の受給額は個人差が大きいので、受給額ごとの受給者数も見てみましょう。

 

1.3 【国民年金】受給額ごとの受給者数

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

1.4 【厚生年金】受給額ごとの受給者数

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

特に、厚生年金は現役時代の収入と加入期間に左右されるため、1万円未満~30万円以上と幅があります。

では、年金だけ生活できている世帯はどのくらいあるのでしょうか。

2. 公的年金・恩給の総所得に占める割合

厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」から、公的年金・恩給の総所得に占める割合を見てみます。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合3/4

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」

公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯、つまり、年金収入だけで生活できている高齢者世帯は41.7%に留まります。

昨今の物価高により家計の負担が増えていることなどを考えれば、老後生活を年金だけに頼るのは心もとないでしょう。

3. 「年金だけに頼らない」今から始める老後対策3選

年金だけに頼らない老後生活を迎えるためには、事前に準備を進めておくことが大切です。今回は、今から始められる老後対策を3つご紹介します。

3.1 老後対策1. 家計の見直し

まずは、家計の見直しを行い、節約できる支出がないか確認してみましょう。

毎月かかる固定費を見直すことができれば、年間で数万円~数十万円の節約につながる可能性があります。

例えばですが、付き合いで加入した保険の保険料、使用量に合わないスマートフォンの通信料、不要なサブスクリプションサービスなど、意外と節約できるポイントがあるかもしれません。

3.2 老後対策2. NISA(少額投資非課税制度)で積立投資

積立投資は、株式や投資信託などの金融商品を毎月一定額ずつ積み立てていく方法です。

積立期間が長ければ長いほど安定した運用成果を得られる可能性があり、NISAを活用すれば運用益が非課税となります。

2024年から新制度が始まったこともあり、老後を見据えて積み立てを始める人が増えています。

3.3 老後対策3. iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、公的年金に上乗せする形で加入する私的年金です。投資信託や保険、定期預金などから拠出する商品を選び、毎月一定額ずつ積み立てていきます。

NISAと同様に、iDeCoで得た運用益は非課税となります。また、掛金全額が所得控除の対象となり、受取時にも税制優遇措置があります。

将来受け取れる金額は運用結果によって異なり、原則60歳以降に年金または一時金として受け取ることが可能です。

4. 将来を見据えたマネープランを

将来を見据えたマネープランを4/4

山登りをする高齢夫婦の写真

Tom Wang/shutterstock.com

今回ご紹介したように、年金だけで生活できている世帯の割合は4割程度にとどまります。

年金の受給額が多い世帯ならそれも可能かもしれませんが、多くの世帯では年金以外の収入源があるか、自らの金融資産を取り崩して生活しているのが現状です。

ゆとりある老後生活を送るためには、将来を見据えたマネープランを立て、早めに準備を始めていきましょう。

参考資料

加藤 聖人