薬剤師は「薬学の専門家」として、薬の管理や調合、患者さんに対して服薬管理を行います。医療機関において重要な職種である薬剤師ですが、具体的な平均年収や業務内容についてはあまり知られていません。

そこで本記事では、薬剤師の平均年収や業務内容、労働条件などについて紹介していきます。

塾などの夏季講習が始まるこの時期。お子さんの進路情報について情報を集めている方も多いでしょう。

本記事では、薬剤師になるための訓練期間についても紹介しているので、キャリア検討をしている方は参考にしてください。

1. 薬剤師の業務内容

まずは、薬剤師の業務内容から見ていきましょう。

薬剤師は病院や薬局などで薬の管理を行う仕事ですが、代表的な業務は「調剤」であり、医師が出した処方を確認し正確に薬を調合する役割を担っています。

また、医師から処方された薬の副作用や、併用する薬との相互作用などについて、患者さんそれぞれの体質や既往歴などと照らし合わせながら、安全に服薬できるか確認します。

勤務先が病院の場合、医薬品の在庫管理や記録を行うだけでなく、患者さんの体調変化に応じて薬の量の変更を提案したり、外来で服薬指導をしたりするのも薬剤師の仕事です。

なお、超高齢社会に突入している日本において、高齢者の健康管理が大きな課題となっており、近年では「かかりつけ薬局」が普及しつつあります。

【写真全4枚中1枚目】今後の薬局の在り方(イメージ)。2枚目以降の写真で薬剤師「年齢別年収」をグラフで紹介!1/4

今後の薬局の在り方(イメージ)

出所:厚生労働省「1.かかりつけ薬剤師・薬局の推進について」

このように薬剤師は、薬の飲み合わせや処方内容の確認など、薬に関する患者さんの安全性や薬の有効性につながる取り組みを行っています。

医療機関や患者にとって欠かせない存在である薬剤師ですが、平均年収はいくらくらいなのでしょうか。

次章にて、薬剤師の給与事情について見ていきましょう。

2. 薬剤師の平均年収はいくら?

厚生労働省の公表している資料によると、薬剤師の平均年収は577万9000円となっています。

国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円であることから、薬剤師の平均年収は比較的高い水準であることがわかります。

なお、薬剤師の年代別における年収は下記のとおりです。

薬剤師「年齢別年収」2/4

薬剤師「年齢別年収」のグラフ

出所:厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag 薬剤師」をもとにLIMO編集部作成

2.1 薬剤師「年齢別年収」一覧表

  • 20~24歳:349万9200円
  • 25~29歳:470万6400円
  • 30~34歳:554万700円
  • 35~39歳:648万1900円
  • 40~44歳:624万900円
  • 45~49歳:612万9200円
  • 50~54歳:689万9700円
  • 55~59歳:723万6900円
  • 60~64歳:570万9900円
  • 65~69歳:603万7000円
  • 70歳~:492万5900円

30歳代後半頃から年収600万円以上となり、50歳代後半で年収はピークを迎え平均年収723万6900円となります。

国税庁の同調査による各年代の平均年収と比較しても、薬剤師の平均年収のほうが上回っている部分が多いことから、薬剤師の年収の高さがうかがえます。

次章では、薬剤師になるための訓練期間や方法についてチェックしていきましょう。

3. 薬剤師になるための訓練期間

薬剤師になるための訓練期間3/4

薬剤師の女性の写真

KPG-Payless

薬剤師は比較的高収入の職業といえますが、薬剤師になるためには「薬剤師の国家資格」が必要です。

薬剤師の国家資格は勉強をしたら取得できるものではなく、原則として6年制学部・学科の薬学課程を卒業した人のみ受験資格が与えられます。

薬剤師として就業するには?4/4

薬剤師として就業するには?【フロー図】

出所:厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag 薬剤師」

学生時は、病院や薬局の現場でそれぞれ11週間ずつの実務実習が義務付けられており、実習と並行しながら国家資格の勉強もしていきます。

なお、薬剤師の国家資格は、専門知識が豊富で理解力も求められるため、難易度が高いと言われています。

実際に、2024年に実施された「第109回薬剤師国家試験」の合格率は68.43%であり、決して簡単な試験ではないと言えるでしょう。

また、国家資格に合格し薬剤師になった後も、医薬分野は新薬開発や技術進歩が速いため、常に最新情報を収集することが重要となります。

3.1 薬剤師の労働条件

薬剤師が活躍する主な職場は、下記のとおりです。

  • 薬局
  • 医療機関
  • 製薬企業
  • 国や都道府県などの行政機関
  • 大学

就労の割合としては、約59%の人が薬局を選択しており、次いで多いのが約19%で医療機関、約12%で製薬企業が続きます。

繁忙度合いは職場によって異なりますが、薬局の場合は通院者が多い午前中のほうが比較的忙しくなる傾向があります。

一方で医療機関の場合、入院患者さんへの薬の調合だけでなく、点滴対応等も必要に迫られるため、病院によっては休日出勤や夜間対応があるところも。

なお、超高齢化社会である近年においては、薬剤師の在宅訪問といった需要も高まっています。

4. 薬剤師の職業について知ろう

本記事では、薬剤師の平均年収や業務内容、労働条件などについて紹介していきました。

薬剤師は、薬剤師の平均年収は比較的高い傾向にあり、責任感とやりがいのある仕事ですが、その分、国家資格の難易度は高く、長い学習期間が必要となります。

キャリア選択の1つとして薬剤師を検討する場合は、しっかりと情報を収集し、自身の適性や目標を検討することが重要です。

参考資料

太田 彩子