2. 年収400万円台の負債額と純貯蓄額

次に年収400万円台の負債額と純貯蓄額を確認していきます。

前述したように、年収400万円台の人が、老後の資金や教育資金として貯蓄しているリアルな「純貯蓄額」は、貯蓄額から負債額を差し引いた金額となります。

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」によると、年収400万円台の人(勤労世帯)の負債額及び純貯蓄額は下記のとおりです。

年収400万円台の二人以上世帯の貯蓄額・負債額・純貯蓄額

年収400万円台の二人以上世帯の貯蓄額・負債額・純貯蓄額の一覧表

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」を参考に筆者作成

2.1 年収400万円台世帯(勤労世帯)の負債額

  • 年収400~450万円:543万円
  • 年収450~500万円:720万円

2.2 年収400万円台世帯(勤労世帯)の純貯蓄額

  • 年収400~450万円:332万円
  • 年収450~500万円:267万円

平均貯蓄額だけをみると、一見「多く貯蓄ができている」と感じてしまいますが、実際の純貯蓄額は200〜300万円台となっています。

純貯蓄額200〜300万円台という額は、必ずしも十分な老後資金とは言えません。

特に、住宅ローンといった負債を抱えている世帯にとっては、将来的な生活設計に不安を抱える可能性も高くなります。

なお、負債額の内訳の9割は「住宅・土地のための負債」が占めており、住宅ローンが家計に与える影響は大きいものといえます。

住宅ローンを返済しながら、老後資金や教育資金を貯めていくポイントとして、収入やライフプランに合った無理のない返済計画を立てるとともに、以下の内容も意識しておけると良いです。

  • 貯蓄の習慣:毎月の給与から一定額貯蓄し、貯蓄を習慣化する
  • 金利の上昇対策:金利上昇リスクに備えて、繰上げ返済や固定金利の選択を検討する
  • 公的支援の活用:住宅ローン減税や子育て支援などの公的支援制度を積極的に活用する

上記の中でも特に「貯蓄の習慣」は、今すぐにでも始められるものとなっているため、次回の給与が振り込まれたら早速実践をしてみましょう。

では、年収400万円台の世帯は、手取り収入からいくら貯蓄に回しているのでしょうか。

次章にて、平均的な手取り収入からの貯蓄割合を見ていきましょう。