2024年6月21日に開かれた記者会見で、岸田首相は「酷暑乗り切り緊急支援」として、電気・ガス料金補助の再開を発表しました。8月からの3カ月間限定ではありますが、猛暑が続き、エアコンが必須となるこれからの季節を乗り切るのに有効な支援策といえるでしょう。

ただし、支出への影響は光熱費だけにとどまりません。止まらない物価高で食費や生活必需品、交通費などあらゆるものの負担が増え続けています。

2024年度の公的年金は前年度から2.7%の増額となりましたが、前年の物価上昇率を下回っているため家計に対してプラスの影響はもたらしていません。

本記事では、老齢年金受給者の「国民年金・厚生年金」の平均月額を確認していきます。年金生活者の暮らしぶりを見てみましょう。

1. 年金だけで生活できる高齢者世帯は44.0%→41.7%に減少…

2024年7月5日、厚生労働省から「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」が公表されました。

これによると、年金だけで生活できる高齢者世帯は、41.7%という結果になりました。

【写真5枚】1枚目/公的年金・恩給だけで生活できる高齢者世帯の割合《円グラフ》、2枚目以降で「国民年金・厚生年金」の平均月額をチェック

高齢者世帯における公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

前回調査における年金だけで生活できる高齢者世帯の割合は44.0%でしたので、2.3ポイントの減少となります。

では、具体的に、今のシニア世代は国民年金・厚生年金を毎月どれくらい受給しているのでしょうか。

次章で確認していきます。