クレジットカードには、それぞれ発行会社が定めるランクが存在します。

一般的には上位ランクになるほど、完全招待制であったり、発行費や初年度の年会費だけで100万円を超えてくるものがあったりと、入会のハードルは高くなると言われています。

もちろん、上位カードになると専用コンシェルジュサービスなどの付帯特典や優待特典はかなり充実したものになります。

今回は、ハイステータスカードの一つであるラグジュアリーカードに注目していきます。

ラグジュアリーカードとは、Mastercardブランドの中で最上位のクレジットカードです。

審査基準も非常に厳格であり、収入や資産状況も高水準を求められるため、ステータス性も含め富裕層に人気のクレジットカードの一つです。

実際にハイステータスカードを保有できるような富裕層は、日本に何%ぐらいいるのでしょうか。また、その富裕層はどのようなことにお金を使っているのかを、ラグジュアリーカードの利用データから明らかにしていきたいと思います。

最後にはファイナンシャルアドバイザーの筆者から富裕層に一歩近づくアドバイスも書いていますので、ぜひご覧ください。

1. 富裕層の「クレジットカードとの向き合い方」利用金額が多かったカテゴリーTOP10

ラグジュアリーカードの利用動向を読み解いた「2023年 新富裕層の消費動向」より、富裕層のお金の使い方についてみていきます。

<調査概要>

  • 調査対象期間:2023年1月1日~2023年12月31日
  • 調査対象:期間中のラグジュアリーカード(チタンカード、ブラックカード、ゴールドカード、ブラックダイヤモンド)会員※人数非公開

2023年の利用金額が多かったカテゴリーTOP10は以下の結果となりました。

2023年 カード利用金額が多い加盟店カテゴリー TOP101/4

【ランキング表】2023年 カード利用金額が多い加盟店カテゴリー TOP10

出所:Black Card Ⅰ 株式会社「ラグジュアリーカード利用データ調査」

富裕層がもっともお金を使ったカテゴリ1位は「レストラン、飲食店」です。前年調査では3位だったので、コロナ禍を経て消費活動が再開している様子がうかがえます。

2位の「バー・ナイトクラブ」や7位の「リゾート、ホテル」、8位の「トラベル・ツアー予約サイト」など、外出や旅行が活発化していることがわかります。

中でも以下の分野において、利用金額の伸びがみられました。

1.1 カード利用金額の伸び率が大きかった加盟店のカテゴリー

2022年と2023年のカード利用金額比較2/4

2022年と2023年のカード利用金額比較

出所:Black Card Ⅰ 株式会社「ラグジュアリーカード利用データ調査」

  • 1位:広告・マーケティング(405%増)
  • 2位:セカンドハンドショップ(314%増)
  • 3位:ゲーム、コミック、エンタメなど(301%増)
  • 4位:百貨店(245%増)
  • 5位:スポーツジム(260%増)

広告・マーケティング費の伸び率が最も高く、起業家が潮流を読み取って行動に移している様子がよくわかります。

前述のとおり、コロナ禍の終息によりアクティブな消費活動がうかがえますね。

このようなハイステータスカードが使用できるお金持ちは、ごく一部の限られた方のみに思えます。

では、いわゆる「富裕層」と呼ばれる方たちは日本にどれほどいるのでしょうか。

2. 日本で「富裕層」は増加傾向

実は、日本で「富裕層」は増加傾向にあります。

野村総合研究所のニュースリリースでは、資産1億円を超える層を「富裕層」と分類しており、2021年時点で日本に148万5000世帯存在するとしています。

日本の富裕層の割合3/4

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

割合にすると、日本全体の約2%が該当していることになりますね。

2.1 【一覧表】富裕層の世帯数と保有資産規模を整理

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

資産1億円以上~5億円未満の富裕層が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上の超富裕層が約0.2%(9万世帯)です。

富裕層と超富裕層の世帯が保有する資産総額の推移をみると、以下の通り増加しています。

富裕層:保有資産規模と世帯数の推移4/4

富裕層:保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 」

2.2 「富裕層」と「超富裕層」世帯が保有する資産総額の推移

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

富裕層の増加には複数の要因が関与していますが、ひとつには緩和傾向だった日本の金融政策と低金利の影響が考えられるでしょう。

「貯蓄から投資へ」のスローガンを耳にする方が増えたと思いますが、資産形成や投資が促される流れにより、投資業界は活性化しています。

株式投資や企業の成功により、資産が増えた世帯が富裕層の仲間入りを果たした背景もあるかもしれません。

とはいえ、一度に多額の資産を築いたというよりは、「準富裕層(5000万円以上1億円未満)」が投資の成功により富裕層に繰り上がったと考えるのが自然でしょう。

これから富裕層を目指すのであれば、まずは「純富裕層」を視野に入れると良いのかもしれません。

3. 富裕層を目指すなら「純富裕層」から

ファイナンシャルアドバイザーからの提案

ファイナンシャルアドバイザーからの提案

b-bee/istockphoto.com

 

ここまで、富裕層がどんなことにお金を使っているのかを見てきましたが、フィナンシャルアドバイザーの観点から実践しやすい富裕層に近づくためのアドバイスをしていきます。

3.1 収支バランスの見直し

まずは、現状のご自身の収支状況を把握することから始めましょう。

固定費や交際費など、毎月どのぐらいのお金が出入りしているのかを一つずつ確認することが大切です。

意識して収支状況を確認してみると、意外なところにお金を使っていることに気づくかもしれません。

特に固定費には、見直しのチャンスが眠っていることが多いです。

今まで何となく入っていたサブスクサービスがないか、医療保険に加入されている方であれば本当に自分に合った保障内容・保険料になっているかどうかを確認することをおすすめします。

3.2 お金を増やす仕組みをつくりましょう

収支バランスを見直した後は、お金を増やす方向にシフトすることが大切です。

現在、日本の円預金は非常に低金利でインフレリスクに備えることが難しい状況ですので、資産運用を視野に入れて考えていきましょう。

NISAやiDeCoなど、運用しながら税制優遇を受けられる制度もあります。

利用する金融機関によってはクレジットカードで積立できるものもありますので、ポイントでもお得に資産形成していきましょう。

4. まとめにかえて

富裕層のカードの使い方を見ていきました。

時代の潮流に合わせ、賢くつきあっている様子がうかがえます。

すぐに「富裕層」を目指すのは難しくても、日々の家計の見直しや資産運用などはチャレンジできていない方も多いのではないでしょうか。

取り入れられそうな手段から、実践してみましょう。

参考資料