夏を制する者は受験を制するという言葉があるように、夏休みは受験生にとって合否を分ける天王山とも言われるほど大切な時期です。
親が直接的に関わることが少なくなる高校受験と大学受験は、子どもが主体的にどれだけ勉強に励めるかどうかで結果が変わってくるため「ちゃんと勉強しているかどうか」と気になる方も少なくありません。
思春期のまっただ中ということもあり、親の口出し次第では親子関係に亀裂が入ることもあるので親子の距離感を保ちながらサポートすることが求められます。
今回は、親としての関わり方に悩むことも多い高校受験と大学受験において、子どもとの接し方やサポートの仕方を考えていきます。
1. 【高校受験】勉強しやすい環境を考える
自習室の雰囲気が合わない子も、家庭学習をする受験生もいる1/5
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塾に通っていれば自習室があり、そこで勉強するのが一番良いのですが、自習室の雰囲気が合わない子もいます。また、塾に通っていない子も家庭で勉強することになります。
夏休みに勉強する場所を確保できない時は家で受験勉強に励むことになりますが、家で勉強するにしても問題はあります。
今の中学生は自分専用のスマートフォンを所持している子が多く、つい使ってしまい貴重な勉強時間がなくなってしまうこともあります。友達と容易に連絡を取り合えるため、当初予定していなかった外出を繰り返すとあっという間に夏休みが過ぎていきます。
こうした事態を避けるためにも、「いかに使用時間をコントロールできるか」を考えるとともに、夏休みの間はペアレントコントロール設定をして使用制限をかけることも時には必要です。
ただ、子どもの意見を聞かずに勝手に親が設定すると親子で言い争うことになります。「受験勉強の妨げになる使い方をやめよう」と提案し、子どもが納得できる答えを親子で話し合うようにしてください。
志望校までの合格ラインの距離、親の言い分、子どもの言い分をすり合わせた上で「こういう使い方をする」とルールを決めましょう。高校受験を控え、「決めたことは責任をもって守る」という意識を持たせて大切な夏休みを送るようにしましょう。
2. 【高校受験】場合によっては親子で学校見学に参加する
日本ではまだ高校受験が人生初の受験、という生徒がほとんど2/5
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中学受験熱が高まってきているとはいえ、全国的には高校受験が人生初の受験という子が圧倒的に多いです。
高校受験でも、自分の学力や将来の進路進学を踏まえて受験校を決めます。そうしたなか、全く学校見学に行かずに受ける高校を選ぶのは避けましょう。小学校や中学校とは異なり、高校は校風や教育方針が各学校で異なります。
気になる学校が必ずしも自分に合うとは限りません。万が一、全く合わない高校に進学してしまうと通学自体が苦痛となり、不登校そして退学する可能性もあります。
せっかくの高校生活を充実したものにするためにも、夏休みに開催される学校見学会や説明会に足を運んでみましょう。
親も一緒に参加して「この学校は我が子に合うかどうか」を見極めてください。子どもだけで参加できる学校もありますが、子どもの視点と親の視点は異なります。「制服が可愛い」「校則が緩そう」に目が向いてしまいそうなら、より親の視点が重要になります。
学校の雰囲気も大切ですがカリキュラムや特色ある活動、不登校になったときのサポートや卒業後の進路も含めて総合的に見るには親も見学会に足を運ぶのが望ましいです。
3. 【大学受験】どの入試で挑むかの最終決断を下す
大人に近づいている高校生は、志望校選びなど子どもが率先して決めていく受験になります。しかし、親がノータッチというのも現実的には無理があります。
文部科学省の「令和5 年度国公私立大学入学者選抜実施状況」によると、2023年度入学者試験のうち、私立大学では学校推薦型選抜や総合型選抜による入学者の割合は58.7%と、過半数以上が筆記試験以外の入試を経て進学しています。
親世代の頃よりも入試制度が多様化している今の大学受験は、夏休み明けから総合型選抜、学校推薦型選抜の動きが本格化します。高3の夏はある程度、どの入試で大学進学を目指すか決まってきている段階とはいえ、「本当にこの大学でいいのか」「この入試で大丈夫か」「もし筆記試験までずれ込んだ時はどうするか」を親子で話し合いしましょう。
大学により必要な書類、小論文や志望動機の記入も異なります。夏休みは受験勉強をしつつこうした情報を整理整頓して一緒に最終確認するようにしてください。
また、昔で言う指定校推薦の枠を得られれば、ほぼ間違いなく合格できますが、人気のある大学、学部は学校内で枠を争う戦いになります。ライバルが多ければ争奪戦も激しく、もし駄目だった時は筆記試験で挑むことになります。
そのため、「推薦が第一候補だけれど筆記試験の可能性もある」と心に決めて勉強を怠らず、気持ちを緩めずに過ごすことも求められます。
親も「総合型選抜で受かる」「推薦で行ける」と思わず、受験生のいる夏休みの家庭の雰囲気が緩まないように気をつけてください。
4. 【大学受験】受験までのスケジュールを共有する
大学受験は、願書提出や入試日など含めてスケジュール管理がとても大切4/5
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親が大学受験経験者と言っても、今の大学入試は年明けからスタートするわけではありません。高校3年の秋から願書提出、書類選考、大学での面接や小論文と年内で決まる入試もあります。
そして、年内に決まらない場合は年明けの大学入学共通テストを受けることや、私立大学の筆記試験を受けるという流れになります。
大学受験の期間は他の受験に比べると長く、願書提出や入試日など含めてスケジュール管理がとても大切です。受験生である子どもに全て任せようとすると、受験勉強への影響も無視できないので親も一緒にスケジュール管理をしていきましょう。
募集要項の入手、願書提出の締切日、試験料、必要な書類や願書やインター出願で必要な写真の撮影、と細々とした確認作業がたくさんあるので、親と子が二人三脚で力を合わせて乗り越えるようにしてください。
そして、年内で決まらず年越しとなると子どもの方も精神的に参ってしまうことも考えられます。長い入試だからこそ、ずっと緊張した状態が続くと疲れてしまうこともあります。
そうした時に子どもに休息させたり励ましの言葉をかけたりすることができるのも親の仕事と思って寄り添っていくよう心がけましょう。
5. 高校受験や大学受験、親は一歩引いた立ち位置で子どもの受験と関わる
高校受験や大学受験では、親は裏方に徹して子どもをサポートすることが大事5/5
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反抗期や思春期を経て子どもは大人へと近づいていきます。高校受験や大学受験はまさにそうした心の成長過程と重なる受験で、親の接し方や関わり方も変化していきます。
子どもの意思を尊重しつつ、親の意見や考えも伝えるようにしていきましょう。とくに大学受験は親子で何かに挑む最後のイベントです。親としては合格となったときの嬉しさだけでなく、「子育ても終了」という一抹の寂しさも同時にやってくる一大イベントです。
子どもの成長や親離れを感じる高校受験と大学受験では、親は裏方に徹して子どもをサポートしていきたいですね。
参考資料
中山 まち子