2. 大型の鳥は「野生のオオセグロカモメ」だった

水族館近隣に生息するオオセグロカモメ

野生のオオセグロカモメ

出所:@MuroranAquarium

市立室蘭水族館の担当者によると、動画の鳥は水族館近隣に生息する「野生のオオセグロカモメ」だそう。

オオセグロカモメは全長約60cm、翼を広げると160cm近くになる大型の鳥。オホーツク海沿岸、カムチャッカ沿岸などに生息しています。通常は離島や岩礁などに群れを作りますが、北海道では大きな建物の屋根に巣ができることも。

市立室蘭水族館の担当者は、「他のオオセグロカモメよりか、人の環境に慣れた個体だと思います。度々姿を現す個体だと思いますが、当該ポストのような行動を見たのは初めてでした」と詳しく教えてくれました。

話題の動画は、水槽に興味を持ったカモメがどういった行動をとるのか記録に残すために動画を撮影。当時の心境を尋ねると「『あ〜〜、やめてぇ!(魚がびっくりしたり、アクリル製の展示面が傷ついてしまうため)』という感じですね…」と振り返ってくれました。

水槽の上にいる野生のオオセグロカモメ

水槽の上にいる野生のオオセグロカモメ

出所:@MuroranAquarium

市立室蘭水族館の担当者はポストを引用する形で、その後のカモメの様子を報告。水槽をつつく行為は止めてくれたようですが、今度は「水槽の上」でジッと佇んでいるのがわかります。

3. サクラマス水槽で行われている「実証実験」を知ってほしかった

市立室蘭水族館の担当者は、動画を投稿した経緯についても説明。

「アクリル製の展示面が傷ついてしまったり、魚がびっくりしてしまうので、やめてほしい気持ちをお客様に見立てて表現してみました。ヒトのお客様であれば、思わずやってしまった行動でも言葉でお伝えすることが出来ますが、トリのお客様にはなかなか伝えづらいので難しいです」と振り返ります。

ポストをしたのには、もうひとつの理由もあったそう。「ポストを見て来館していただいたお客様に、サクラマス水槽で行われている『実証実験』に興味をもってもらえないかという、PRの理由もありました」「現在水族館の隣では、生産した水素の運搬に関する実証実験が行われています」と説明します。

「水族館のサクラマス水槽では、電気分解での水素生産時に発生する酸素を水槽に添加して、魚を飼育する実証実験を行っていました。ポストから、来館者様に『水素』にも興味をもっていただけるのでは?と思い投稿しました」「水素に関する実証実験に関しては『水素 実証実験 室蘭』で検索していただけると詳しい内容が出てくると思います」とのことです。気になった方は、水素について調べたり、水族館に足を運んでみたりすると、知見が深まりそうですね。