5. 老後も税負担は続く
今回は厚生年金と国民年金の平均受給額や、年金から天引きされるお金について見てきました。
年金からも税金や保険料が天引きされるため、実際の手取り額は額面よりも少なくなります。
このため、今のうちから貯蓄を備えておくことが大切です。
今からできる具体的な貯蓄方法としては、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を利用したり、個人年金保険で私的年金を用意したりする方法があります。
また、給与から貯蓄分を先に取り分けておく「先取り貯蓄」という方法もあります。
少子高齢化が進む日本では、年金制度が今より手厚くなっていくことは考えにくいでしょう。今後は年金収入に頼らず、自助努力で資産形成する重要性がますます高まっていくものと考えられます。
老後に向けた資産形成にはさまざまな種類のものがあります。家計の見直しから資産運用まで、ご自身がどのような方法で資産を増やしていくのか、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
6. 年金のよくある質問(FAQ)
ここでは年金にまつわる「よくある質問」について見ていきます。
6.1 Q1. 自分の基礎年金番号はどこで確認できますか?
A1. 会社員の方は、勤務先で確認することができます。
もしくは基礎年金番号通知書、年金手帳(青色)、国民年金保険料の口座振替額通知書、国民年金保険料の納付書や領収書、年金証書、年金額改定通知書等の通知書等でも確認できます。
6.2 Q2. 月の途中で転職すると、厚生年金保険料はどうなりますか?
A1. 資格取得した月の保険料から支払う必要があります。
保険料は月単位で計算するので、月の途中で退職した場合は前月分までを納めます。月の途中で新しい会社に入社した場合、その月から保険料を支払います。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和6年4月からの年金額等について」
- 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」
- 日本年金機構「自分の基礎年金番号の確認方法を教えてください。」
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」
中本 智恵