2024年6月21日に開かれた記者会見で、岸田首相は「酷暑乗り切り緊急支援」として、電気・ガス料金補助の再開を発表。8月・9月・10月の3カ月間ですが、使用料を少し抑えることができそうです。

昨今、私たちを取り巻く環境は物価高や円安の影響により深刻化する一方です。

「おとく情報」や「ポイ活」など、少しでも生活のプラスになるものはないか、SNSを彷徨う方も少なくありません。

将来資金に対して漠然とした不安を抱き、マネー相談にいらっしゃる際、「実際老後いくらお金を準備しないといけないの?」といった声が多いのが現状です。

今回は現役シニア世代のお金事情にフォーカスして、「貯蓄額・年金額・生活費」を観察していきます。

1. 65歳以上リタイア夫婦世帯「平均貯蓄額」はいくら?

老齢年金の受給開始年齢は、原則65歳からとなります。多くのシニアが年金暮らしをスタートさせるであろう65歳以上の貯蓄事情を見ていきましょう。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の世帯(二人以上世帯)の平均貯蓄額は2462万円でした。

【写真6枚】1枚目/世帯主が65歳以上世帯の貯蓄額、2枚目以降/保有資産の内訳、《一覧表》厚生年金・国民年金の平均受給額

65歳以上世帯の貯蓄グラフ

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」

ただし、実態をより反映していると考えられる中央値は1604万円です。

上の図を見ると、中央値を下回る世帯が半数以上を占めていることがわかります。

なお、こちらのデータは世帯主が65歳以上の二人以上世帯を対象としたものであり、働いている世帯も含まれています。

次章では、リタイアした世帯に対象を絞って、貯蓄事情と資産をどのように保有しているかを見ていきたいと思います。