5. 自助努力を考える:老後の備えのためにできること
日本の年金制度について見てきましたが、年金だけで十分な老後を送れる方は少ないのが現実です。
公的年金制度の改善を期待するのも一つの方法ですが、自ら備えることが重要です。ここでは、老後資金の準備に役立つ3つのポイントをご紹介します。
5.1 お金の整理を行う
まずは、お金の整理を行いましょう。将来どのくらいのお金が必要になるのかを把握しなければ、具体的な準備ができません。ゴールが見えなければ、計画を立てるのも難しいです。
ねんきん定期便などを利用して将来の収入を大まかに把握し、現在の生活費と比較してみましょう。もしマイナスになる場合、何年分の生活費を補う必要があるか計算することで、必要な資金が見えてきます。
これにより、具体的な対策を立てることができます。
5.2 先取り貯蓄
次に、先取り貯蓄をおすすめします。これは毎月決まった金額を予め貯蓄に回す方法です。日々の生活費から余った金額を貯めるよりも、確実に貯蓄を増やすことができます。
いきなり大きな金額を貯めるのは難しいかもしれませんが、まずは小さな金額から始めることが大切です。継続することで、着実に貯蓄を増やすことができます。
5.3 資産運用の活用
最後に、資産運用の活用です。NISAやiDeCoなどを利用することで、貯蓄だけでは得られないリターンを期待できます。
日本の今の状況では、貯金だけでお金を増やすのは難しいため、資産運用を考えるのも一つの方法です。
今年1月に改定されたNISAを機に、多くの人が資産運用に注目しています。
ただし、リスクも伴うため、無理のない範囲で取り組むことが重要です。
5.4 まとめ:老後資金はねんきんネットやねんきん定期便の確認から
今回、年金の平均受給額にフォーカスしましたが、個人差が大きいことが明らかになりました。
老後資金の計画を立てるためには、自分の年金受給額を確認することが第一歩です。ねんきん定期便やねんきんネットを利用して、受給予定額を知ることができます。
また、公的年金の増額方法や私的年金の準備、預貯金の積み立て、資産運用の開始など、様々な対策を検討することが大切です。
新NISAなど、新たな制度も視野に入れながら、自分に合った資産形成方法を考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」とは?
- 総務省統計局「家計調査(家計収支編)最新結果 2023年(令和5年)平均(2024年2月6日公表)」
徳原 龍裕