8. 年金以外の老後への備え
厚生年金の平均受給額は14万〜15万円台と、決して老後生活を満足に送れる金額ではありません。
私たちが充実した老後生活を送るには、年金以外の老後への備えが必要不可欠です。
たとえば、年金制度の3階部分を有効活用すれば、将来受け取れる年金額をさらに上乗せできます。
iDeCoは、節税効果があるため税負担を減らしたい人におすすめです。保険料の負担を抑えたいなら、企業が掛金を拠出してくれる企業年金への加入を検討しましょう。
また、投資で資産を増やすのも有効です。2024年から始まった新しいNISA制度は、運用益がすべて非課税になるうえ、少額から投資ができます。
余剰金額で投資をすれば、リスクを抑えて始められます。
NISAは長く投資を続けるほどメリットを実感しやすいため、小さな額からコツコツ挑戦してみるとよいでしょう。
9. まとめにかえて
厚生年金は国民年金よりも長い期間加入できます。
加入期間が長いほど保険料を負担する期間も長くなりますが、保険料は事業主と折半のため、負担を抑えながら年金受給額の増額が可能です。
とはいえ、老後は年金だけに頼った生活はできません。企業年金やiDeCoで年金をさらに上乗せしたり、投資で資産を増やしたりして、自分の老後生活に必要なお金を備えましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和6年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
- 厚生労働省「教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?」
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「適用事業所と被保険者」
- 厚生労働省「年金を受けとるために必要な期間が10年になりました」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)」
- 日本年金機構「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
石上 ユウキ