1.1 年金例「標準的なモデル夫婦」の内訳
- 夫:平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で40年間就業した場合の厚生年金+国民年金を満額受給
- 妻:国民年金を満額受給
上記の条件を満たした夫婦の場合は、2人分の年金として月に23万483円が受け取れるのです(実際の年金支給は2か月ごとなので、1回あたりの支給額は約46万円になるということです)。
昨年度と比較すると、国民年金・厚生年金ともに年金額が2.7%増額しています。
しかし、近年の物価高をカバーできるほど増額はしておらず、実質的には目減りとなりました。
なお、厚生労働省が公表した2024年度の年金額はあくまでも「満額で国民年金を受給できる人」と「標準的なモデル夫婦」の年金額例となっています。
冒頭でお伝えしたように、年金受給額は人によって個人差が大きいため、一概に全ての人が上記の年金額を受け取れるわけではありません。
では、国民年金・厚生年金のリアルな平均月額はどのくらいなのでしょうか。
次章にて、公的年金の平均月額を確認していきましょう。
2. みんなの平均的な年金月額はいくら?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額は下記のとおりです。
2.1 国民年金の平均月額
- 全体:5万6316円
- 男性:5万8798円
- 女性:5万4426円
次に厚生労働省年金局の同調査による、厚生年金の平均月額は下記のとおりです。
2.2 厚生年金の平均月額
- 全体:14万3973円
- 男性:16万3875円
- 女性:10万4878円
国民年金は保険料が一律であることから、全体や男女間で個人差はあまり見られませんが、平均月額がどれも5万円台であることから、満額受給していない人も一定数いることがみてとれます。
厚生年金は、現役時代の年収や加入期間によって受給額が大きく変わるため、全体や男女間で個人差が大きくなっています。
ご自身の年金見込額をより詳細に知りたい方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認してみることをおすすめします。