厚生労働省が公表している「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後生活を100%公的年金の収入でやりくりしている高齢者世帯は約4割であることが明らかになっています。
老後への不安感は年々高まるばかりですが、未来の暮らしを想像するのは容易ではありません。
そこで今回は、その多くが年金暮らしを送っていると考えられる70歳代に焦点をあて、貯蓄額や年金収入について最新の統計資料より確認していきます。
老後対策の参考にご覧ください。
1. 【70歳代・二人以上世帯】平均貯蓄額はいくら?
さっそく、70歳代のシニア世帯がどれくらいの貯蓄を保有しているかを確認していきます。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)は次のとおりです。
※下記の金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円、実態に近いとされる中央値は700万円です。
貯蓄額ごとの世帯割合を見ると「貯蓄ゼロの世帯」が19.2%。貯蓄の取り崩しが進んでいるのでしょうか。
一方で、3000万円超を保有する世帯は19.7%。貯蓄事情は世帯により異なるものですが、二極化している様子がみてとれます。
冒頭で申し上げた通り、年金収入だけで老後の生活費をカバーできる世帯は半数以下となっていますが、年金は月額どれくらいもらえるものなのでしょう。
次章で確認してみます。