総務省は、2024年6月21日に2024年5月分の消費者物価指数を公表しました。総合指数は前年同月比2.8%、前月比0.5%で、依然として物価の上昇は止まりません。

インフレに打ち勝てる資産づくりをするのであれば、新NISAの活用は欠かせなくなっています。

将来の資産形成のために「今から新NISAを始めてみたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。

しかし、新NISAはあくまで投資制度の一つ。上手にリスク管理しなければ、資産を減らしてしまう可能性もあります。

私たちは、どのようにして新NSAを活用すればよいのでしょうか。

この記事では、新NISAの概要や投資対象の商品を紹介します。

後半では、年代別のポートフォリオの組み方についても解説します。

これから新NISAを始めようとしている人は、ぜひ参考にしてください。

1. 新NISA制度の概要

新NISAの概要は以下のとおりです。

【写真1枚目/全5枚】新NISA制度の概要/次ページ以降は「30歳代・50歳代・70歳代」におすすめのポートフォリオを円グラフで紹介1/5

新NISA制度の概要

出所:金融庁「NISAを知る」

2024年から新しくなったNISA制度は、毎月一定金額を積み立てて投資できる「つみたて投資枠」と、投資信託や上場株式など複数の金融商品に投資できる「成長投資枠」の2つで構成されています。

新NISAは正式名称を「少額非課税投資制度」といい、100円や500円のように少ない金額から投資できるのが特徴です。

少額から始められるため、少ないリスクで投資体験ができます。

また、運用益が非課税になるのも新NISAの特徴です。

通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。そのため、利益が増えるほどかかる税金が増えてしまいます。

しかし、新NISAでは税金がかかりません。利益がすべて手元に残ります。

非課税で資産を保有できる期間は無期限で、一度口座を開設すればずっと非課税で運用し続けられます。

投資できる金額はつみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円です。

総額1800万円まで非課税で保有でき、老後資産の形成に役立つ投資制度となっています。

2. 新NISAの投資対象商品

新NISAの投資対象となっている商品は、以下のとおりです。

新NISAの投資対象商品2/5

新NISAの投資対象商品

出所:金融庁「NISAを知る」をもとに筆者作成

  • つみたて投資枠:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
  • 成長投資枠:上場株式(国内・海外)、投資信託(※)、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)

※①整理・監理銘柄 ②信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外

新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠とで投資対象商品が異なります。

つみたて投資枠では、国が厳選した投資信託が投資対象です。

長期の積立投資や分散投資に適した商品がラインナップされており、初めての人でも利用しやすい枠となっています。

一方、成長投資枠では投資信託のほかに国内外の上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)といった商品を購入できます。

複数の商品が購入できるため、投資の幅を広げられ、自分なりの商品の組み合わせ方を楽しめます。

3. つみたて投資枠の対象商品

つみたて投資枠の対象商品は、国が厳選した投資信託です。

主に「インデックスファンド」と呼ばれるものが選ばれています。

インデックスファンドとは、特定の株価指数に連動した値動きを目指す金融商品のことです。

代表的な指数として、日本の日経平均株価やTOPIX、アメリカのS&P500などが挙げられます。

つみたて投資枠のインデックスファンドは、販売手数料がかからない「ノーロード」といわれるものや投資の管理運用費としてかかる信託報酬が一定水準以下のもの、信託契約期間が無期限または20年以上のものなど、国の指定した条件をクリアしたものだけがラインアップされています。

初めて投資をする人は、つみたて投資枠の活用からしてみるとよいでしょう。

4. 成長投資枠の対象商品

成長投資枠の対象商品は、つみたて投資枠で購入できる投資信託に加えて、国内外の上場株式やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)に投資できます。

購入できる商品が多い分、積立投資のほかに投資家への収益還元である「配当金受け取り」などが可能です。

特に高配当株式投資は、NISA制度の利点である「利益が非課税になる」点を活かせます。

自分のライフプランに合わせた投資ができるのが、成長投資枠の魅力です。

5. 【年代別】「新NISAのポートフォリオ」おすすめの組み方

NISAには豊富なメリットがありますが、恩恵を実感するには「上手に金融商品を組み合わせて投資を管理すること」が重要です。

金融商品の組み合わせや配分の設定のことを「ポートフォリオ」といいます。

30歳代・50歳代・70歳代の3パターンで、おすすめのポートフォリオを紹介します。

初めて投資をする人は、ぜひ参考にしてみてください。

5.1 【新NISAのポートフォリオ】「30歳代」はボラティリティの高い株を多めに

30歳代の人におすすめのポートフォリオは、以下のとおりです。

【新NISA】30歳代の人におすすめのポートフォリオ3/5

30歳代の人におすすめのポートフォリオ

出所:筆者作成

30歳代は、老後資産をつくるまでに約30年〜40年程度時間があります。

そのため、全世界の経済成長を取り込みやすくなります。

特に急激に発展する新興国の成長を取り込みやすく、比較的リスクを取って投資ができるのが特徴です。

日本を含めた先進国株式に連動する商品を中心に据え、新興国株式連動の商品にも併せて投資すると、世界経済全体の成長を取り込めるでしょう。

5.2 【新NISAのポートフォリオ】「50歳代」は老後を見越して債券の割合を増やす

50歳代の人におすすめのポートフォリオは、以下のとおりです。

【新NISA】50歳代の人におすすめのポートフォリオ4/5

50歳代の人におすすめのポートフォリオ

出所:筆者作成

50歳代は、老後を見越して少しずつリスク資産を減らして行くとよいです。

値動きの変動が激しい商品だと、いざ取り崩すときに大きな損失が発生する可能性があります。

新NISAでは債券を直接購入できませんが、債券の値動きに連動する投資信託を購入できます。

債券投資の割合を少しずつ増やし、老後の資産取り崩しに備えましょう。

より安定した投資をしたい場合は、債券投資の割合をさらに増やしてみてください。

5.3 【新NISAのポートフォリオ】「70歳代」はリスクを取る投資より安定した値動きになる投資を

70歳代の人におすすめのポートフォリオは、以下のとおりです。

【新NISA】70歳代の人におすすめのポートフォリオ5/5

70歳代の人におすすめのポートフォリオ

出所:筆者作成

70歳代は、リスク資産の割合を減らし、債券投資の割合を増やしていきましょう。

70歳代を迎えると、介護や相続といったことも考えなければなりません。

リスクを取る投資よりも、安定した値動きになる投資をすることを心がけましょう。

特に相続で金融商品を受け取ることになると、遺された家族の相続手続きが面倒になる可能性があります。

金融商品を現金資産に換えて、余剰資金で安定した投資をするのが望ましいといえます。

6. 投資信託にかかる費用を必ずチェックしておく

新NISAで投資信託を購入する際には、手数料がかかります。主な手数料は、以下のとおりです。

  • 購入時手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

投資信託は、購入時に手数料がかかるものがあります。

手数料は購入価格の数%程度ですが、購入のたびにかかるため長期投資をするならばできる限り削減したいコストです。

ただし、つみたて投資枠で購入できる金融商品は、すべて購入時手数料が0円です。

また、ノーロードと商品名に記載されていれば、購入時手数料はかかりません。

また、投資信託の保有時には信託報酬の支払いが必要です。金額は、ファンドの総資産額に対して数%程度です。

信託報酬は、投資信託の保有期間が長いほど、支払い続ける必要があります。

インデックスファンドのようにできる限り信託報酬の低い商品に投資すると、余計なコストをかけずに資産を増やせます。

そして、投資信託の解約・売却時は信託財産留保額の負担が必要です。

基準価額に対して数%程度かかります。ただし、商品によっては差し引かれないものもあります。

売却時の利益が減らないよう、差し引かれないファンドに投資するとよいでしょう。

7. まとめにかえて

新NISAは適切にリスクを管理して長く続けていけば、その恩恵を最大限に受けられます。

これからの時代では、資産づくりの方法の一つとして、新NISAは有力な選択肢になっていくでしょう。

また、証券会社でも新NISA制度開始にあわせて様々なキャンペーンを実施しています。

この時期にしか受けられないキャンペーンも複数あるため、ぜひこの機会に新NISAを始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料