厚生労働省が2023年12月21日に公表した「令和4年衛生行政報告例の概況」によると、看護師の総数は131万1687人となりました。
看護師の雇用形態をみると、82.2%が正社員として雇用されています。
では、正社員と非正規雇用の看護師で、年収はどの程度の差があるのでしょうか。
物価上昇が続く現代において、賃金事情が気になる方も多いと思います。今回は、看護師の平均年収について解説します。
記事の後半では、看護師と同じ現場で仕事をすることが多い看護助手の年収も確認するので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 看護師の平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、看護師の平均年収は508万2000円でした。
では、看護師の平均年収を雇用形態別に確認するといくらになるか、それぞれ確認しましょう。
2. 正社員の看護師の年収
看護師の平均年収は、508万2000円でした。
厚生労働省の「令和4年版 厚生労働白書」によると、平均賃金は39万9000円となっています(全産業は35万5000円)。
2.1 年齢階級別に見た平均年収
年齢別にみると、55歳から59歳までの平均賃金が46万9000円で最も高くなりました。
- 20~24歳:32万5000円
- 25~29歳:37万7000円
- 30~34歳:39万円
- 35~39歳:40万1000円
- 40~44歳:42万円
- 45~49歳:44万5000円
- 50~54歳:46万円
- 55~59歳:46万9000円
- 60~64歳:40万3000円
- 65~69歳:34万9000円
他の産業と比較すると、30歳代前半までは看護師の平均年収が高い結果となっています。
また、60歳代以降の平均賃金も、他の産業より高くなりました。
看護師は、人の健康に携わる仕事で、看護師資格が必要です。
そのため、資格さえあれば、60歳代以降も安定して仕事が続けられます。
60歳代以降の賃金が高い理由は、需要の高い職業であることが理由だといえるでしょう。
では、パートタイマーの年収がいくらになるのか確認しましょう。
3. パートタイマーの看護師の年収
厚生労働省が調査した「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」から、雇用形態別の賃金格差を確認します。
医療・福祉分野における非正規雇用の賃金格差は、正社員を100とすると以下のとおりになりました。
- 男性:67.6%
- 女性:75.8%
つまり、パートタイマーの年収はおよそ6割から7割となります。
平均年収から計算したパートタイマーの年収は、343万5432円から385万2156円となりました。
平均賃金を計算すると、26万9724円から30万2442円となります。
では、看護師と同じ職場で働くことが多い看護助手について解説します。
4. 看護師と看護助手の違い
看護助手は、医師や看護師の指示を受けて、看護業務の補助を行います。
具体的な仕事内容は「周辺業務」と「直接ケア」に分かれます。
- 周辺業務:医療器具の洗浄や消毒、診察台のシーツ交換
- 直接ケア:患者の着替えや排泄、入浴の介助
一方、看護師は医師が治療を効果的に進められるように、採血や点滴など医師の指示を受けて実施します。
また、常に変化する患者の状態を把握して、医師の判断を助ける仕事です。
看護助手と比べて、患者の治療や処置に直接かかわります。
そのため、国家資格である看護師の免許が必要です。
看護助手は、患者の処置や治療に直接かかわらないので、資格が必要ありません。
看護助手として働いている人は、全国で13万8040人でした。
看護師の人数と比較すると、約10倍の差があります。
あくまでも看護業務を補助する役割なので、看護師が看護助手の仕事を兼任しているケースが多いといえるでしょう。
では、看護助手の年収はいくらか確認しましょう。
5. 看護助手の年収
看護助手の平均年収は、318万4000円でした。
パートタイマーの年収は、看護師と同じく年収の約6割から7割として計算します。
その結果、看護助手としてパートタイマーで働く場合、年収は215万2384円から241万3472円となる見込みです。
ハローワークの求人では、毎月の賃金は17万8000円になります。
看護師の賃金と比較すると、看護助手の賃金は半分程度でした。
一般的な就業形態をみると、以下の通りになりました。
- 正規の職員、従業員:48.1%
- パートタイマー:40.4%
- 派遣社員:17.3%
- 契約社員、期間従業員:15.4%
- 自営・フリーランス:1.9%
- 経営層(役員等):1.9%
- アルバイト(学生以外):1.9%
- アルバイト(学生):1.9%
- その他:1.9%
看護師の場合、正社員として働いている人は全体の約8割でしたが、看護助手は全体の約5割が正社員となっています。
また、パートタイマーの割合は約4割で、正社員とパートで働く人の割合は、およそ1割しか変わりませんでした。
6. 看護師と看護助手は仕事や年収に大きな違いがある
看護師と看護助手の平均年収や、働き方について違いを解説しました。
看護師と看護助手では、平均年収に約200万円の差があります。
また、仕事内容も看護師は患者に治療や処置を直接行えるのに対して、看護助手は行えません。
少子高齢化が進行する中、看護師や看護助手は今後も必要とされる職業です。
就業者数や待遇面が今後どのようになるか、引き続き注目していきましょう。
参考資料
川辺 拓也