4. 65歳以上無職夫婦の1ヵ月の生活費

ここからは、65歳以上無職世帯の1ヵ月の生活費を見ていきます。

2024年3月に公表された総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支は次のとおりです。

4.1 65歳以上「無職世帯」家計の収支

65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支

出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」

実収入:24万4580円

  • うち社会保障給付:21万8441円

消費支出:25万959円

  • うち食料:7万2930円
  • うち光熱・水道:2万2422円
  • うち保健医療:1万6879円
  • うち交通・通信:3万729円 など

非消費支出:3万1538円
月の収支:▲3万7916円

データから毎月約4万円弱の赤字が出ていることが確認できます。

主な要因は食費と光熱・水道費となっており、合計するとおよそ10万円にものぼります。

6月からは光熱費が値上げの見通しになっていることから、家計はますますひっ迫してくるかもしれません。

また、ゆとりのある老後を過ごしたいなら、交際費などの娯楽費も必要になるほか、病気やケガに対する医療費も備えておかなければなりません。

さらに、冠婚葬祭費や孫へのお小遣いなど、突発的な支出も必要となるでしょう。

2019年に話題となった老後2000万円問題は、少子高齢化やインフレの進行により、現実的な数字ではなくなってきています。

老後は年金だけでは不十分となりえる現実を受け止めて、若いうちから老後に向けた資産形成を考える必要性が出てきています。