2024年6月21日の記者会見において、岸田総理は電気代補助や年金生活者等への給付を打ち出しました。
物価高の影響はどの世帯も等しく受けているものですが、年金生活者のお金事情は厳しいのでしょうか。
総務省の統計資料によると、65歳以上無職夫婦世帯の貯蓄額は平均2504万円、年金月額は平均21万8441円となっています。
また、生命保険文化センターが行った調査によると、老後の最低日常生活費の平均月額は23万2000円。ゆとりある老後生活費の平均月額は37万9000円とのことです。
今回は、実際に老後生活を送る人たちは年金のみでやりくりができているのか確認していきます。また、平均的な収支を参考に、老後の備えについても考えていきましょう。
1. 65歳以上「無職の夫婦世帯」の平均貯蓄額は2504万円
総務省統計局「家計調査報告」によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円となりました。
ここ数年の推移は以下のとおり増加傾向にあります。
1.1 ここ数年の平均貯蓄額の推移
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2023年は過去最高額となりました。老後2000万円問題を発端とし、貯蓄の意識が高まったことも一因と考えられます。
実際、老後資金の目標として「2000万円」を設定している方も多いでしょう。
参考までに、保有資産の内訳にも注目しましょう。
1.2 シニアの保有資産の内訳
合計:2504万円
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
有価証券が480万円で、前年と比較して+80万円の大幅増になりました。
通貨性預貯金も754万円で前年比+55万円ですが、一方で定期性預貯金は846万円(前年比▲19万円)と減少しています。
「貯蓄から投資へ」のトレンドのもと、シニア世帯でも投資の割合が増えているのかもしれません。NISAやiDeCoの台頭も後押しし、今後も加速する可能性があるでしょう。
では、年金収入はいくらくらいなのでしょうか。2024年度のモデル年金額を見ていきましょう。