3. 配偶者が65歳になると「加給年金」は支給停止、「振替加算」の対象に
対象となる配偶者が65歳になれば、加給年金は支給停止となります。
ただし、この配偶者が老齢基礎年金を受け取る場合には、老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。
振替加算の対象者となる要件は以下のとおり。
- 厚生年金保険または共済組合等の老齢(退職)年金、または障害年金(1,2級)を受け取るようになったとき。
- 退職改定または在職定時改定によって、受け取っている老齢(退職)年金の計算の基礎となる厚生年金保険と共済組合等の加入期間の合計が20年以上になったとき。
なお、本人が65歳になった後に、配偶者が上記に該当する場合は、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」の提出が必要となりますのでご留意ください。
4. 安心したセカンドライフを迎えるために出来ること
加給年金は、厚生年金の受給者に、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に年金が加算される制度となります。加給年金を受給できたとしても、老後の資金として十分とは限りません。
また、個人事業主やフリーランス等が加入する国民年金にこの制度はないため、老後の資金準備は、より計画的に進めていく必要があります。
今からできるスタートとして、まずは自身の理想のセカンドライフについて今一度考えてみてはいかがでしょうか?
価値観は人それぞれです。ライフスタイルをイメージすることで実際どれくらい年金額では不足が生じるのかある程度見えてくるはずです。
次のステップで資産運用を取り入れるのか、月の固定費を今のうちにコンパクトにするのか解決策は溢れている現代、情報収集してみるのもいいでしょう。
参考資料
笹村 夏来
執筆者
ファイナンシャルアドバイザー/AFP・証券外務員一種
北海道教育大学卒業後、株式会社青森銀行へ入行。法人・個人融資業務、リテール営業に従事。日本生命保険相互会社へ転職後は、代理店営業と教育担当を経験。オリックス生命保険株式会社では、生命保険販売業務に携わった。ゼロからの顧客開拓で、お客様の紹介数含め表彰歴多数。現在は、長年の金融業界で培った経験を基に個人向け資産運用、保険の見直しのコンサルティング業務を行う。AFP(Affiliated Financial Planner)、一種外務員(証券外務員一種)の資格を保有。青森県青森市出身。(2024年4月19日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元銀行員
神戸松蔭女子学院大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行に入社。三井住友信託銀行に転職後、資産運用アドバイザー業務に従事。投資信託・個人年金保険・外貨預金の販売を中心に、生命保険・医療保険、住宅ローン・事業性ローン、贈与、相続、遺言信託、不動産など、主に個人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に約10年間従事する。特に投資信託や保険商品の提案を得意とし、豊富な金融知識を活かした顧客ニーズに沿う提案が強み。一種外務員資格(証券外務員一種)
FX関連のメディアで執筆・編集を経験したのち、2023年に株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、FX、為替相場、株式投資などを中心に企画・執筆・編集・監修を行う。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。趣味はドライブ・スポーツ観戦・旅行。【2024年12月16日更新】