3. 年収800万円の子育て世帯の家計収支

年収800万円の子育て世帯の家計収支を確認してみましょう。

総務省「家計調査 家計収支編 2023年」から、4人世帯(勤労者世帯)の年間収入750~800万円の消費支出を参考にします。

<年収800万円・4人世帯の生活費>

年収800万円・4人世帯の生活費

年収800万円・4人世帯の生活費

出所:総務省「家計調査 家計収支編 2023年 二人以上の世帯 表番号2-7」をもとに筆者作成

家計調査の場合、持家率が高いことから、住居費の平均が低くなっています。

子育て世代は、賃貸物件に住んだり、住宅ローンを組んで家を買ったりするケースが想定できるので、住居費は別のデータを参考にしたいと思います。

不動産情報サイト「LIFULL HOME'S PRESS調べ(2024年5月掲載)」によると、首都圏のファミリー向き賃貸の掲載物件の平均賃料は約13万円となっています。

これを参考に、住居費を13万円とすると、消費支出は約43万円となります。

子育て世代の収入と消費支出

子育て世代の収入と消費支出

出所:筆者作成

先述した手取り額50万円に、子ども2人分の児童手当2万円を加えた収入52万円から生活費43万円を引くと9万円が残りました。

ここでの生活費は、日常生活に必要な出費であり、突発的な出費は含みません。

また、貯畜や保険の積立、iDeCoやNISAなど、将来に備えるための支出も含みません。

こうした突発的な支出や将来の備えを9万円から捻出すると、ほとんど残らないのではないでしょうか。

また、子どもが大きくなるにつれて、教育費の負担は増えていきます。

教育費にはいったいどれほどの金額が必要になるのでしょうか。次章で試算しています。