4. 教育費は子ども1人1000万円
年収800万円の子育て世帯の家計収支では、教育費が1万6442円となっていますが、子どもが大きくなるにつれて、教育費の負担は増えていくでしょう。
児童手当を0歳から高校卒業(※)まで積み立てると、約234万円になります。
これに対し、教育費は1人1000万円かかると言われています。
児童手当をすべて教育費に充てたとしても、さらに700万円~800万円を用意しなければなりません。
子どもが2人いたら2倍になります。
※2024年10月から高校生まで延長
前項で試算した残額9万円は児童手当分が含まれているので、実際は7万円となります。
この7万円を積み立てて、子ども2人分の教育費を捻出すると仮定すると、10年で840万円、15年で1260万円になります(利息は考慮しない)。
家計収支で余ったお金を全額教育資金に充てても、子どもが2人いる場合は足りない可能性が高くなります。
この上、老後資金も備えておかなくてはならないことを考えると、年収800万円の子育て世帯の家計状況は厳しいと言わざるを得ないでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ各種世帯の所得等の状況」
- 総務省「家計調査 家計収支編 2023年 二人以上の世帯 表番号2-7」
- 住まいの本当と今を伝える情報サイト【LIFULL HOME’S PRESS】「【2024年4月 賃貸 首都圏版】LIFULL HOME’Sマーケットレポート」
- こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
- 内閣官房「こども未来戦略方針の具体化に向けた検討について」
石倉 博子