4. 今のうちからしておきたい3つの老後の備え

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%であり、半数以上の人が「年金だけで生活していけていない」のが現状です。

年金だけで生活している人の割合

年金だけで生活している人の割合

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

前章で紹介したように、老後に受け取れる年金額は意外にも少なく、物価高騰が続く現代では、年金だけで100%生活していくのはハードルが高くなってきています。

上記をふまえ、安心した老後生活を送るためには、現役時代のうちから老後の備えをしておくことが大切です。

本章では、今からできる「老後の備え」について考えていきましょう。

4.1 1.老後の収支シミュレーションをしておく

老後の備えをするために、まず始めにしておきたいこととして「老後の収支シミュレーション」があります。

多くの人の場合、老後の主な収入源は「年金」となるため、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で将来自分が受け取れる年金見込額を事前に確認しておきましょう。

年金見込額が分かったら、現在の生活費をベースに老後の支出シミュレーションをしておけると良いです。

毎月の生活費が赤字になる場合は、「毎月の赤字額×老後の生活期間」から、老後の生活費の補填としてどのくらい貯蓄しておくべきか算出しておくのも得策です。

4.2 2.資産運用を活用して老後資産を増やす

老後資金を「預貯金だけで貯めるのが現実的に難しい」と感じる場合は、資産運用を活用して「お金がお金を増やす仕組み」作りをすることをおすすめします。

特に2024年から新たに始まった「新NISA」は、以前よりも年間投資額が大幅に増額されただけでなく、非課税で保有できる期間が無期限となったことから、さらに長期的な資産運用がしやすくなりました。

新NISAは国が主導している「税制優遇制度」であり、時間をかけて資産形成ができるため、少額からでも始めやすい制度です。

「資産運用でどのくらい利益が発生するのか」を知りたい方は、金融庁が運用している「資産運用シミュレーション」を利用してみると良いでしょう。