老後の暮らしを支える柱となる「公的年金」の支給は偶数月の15日。2024年6月15日は土曜日となるため、直前の平日である6月14日(金)に前倒しで支給されています。
2024年度の公的年金額は前年から2.7%のプラス改定に。よって、6月支給分の「2024年4月・5月分の年金」から増額後の年金額となります。
今回は、厚生労働省などの一次資料を用いながら、厚生年金と国民年金の受給額事情について整理。現役世代のみなさんが、老後の年金生活をイメージするヒントになればと思います。
1. 6月14日(金)は増額された年金の初支給日【一覧表】2024年公的年金支給日カレンダー
1.1 2024年(令和6年)「公的年金支給日」と「支給対象月」
- 4月15日 (月) →2月・3月分
- 6月14日 (金) →4月・5月分
- 8月15日 (木) →6月・7月分
- 10月15日 (火) →8月・9月分
- 12月13日 (金)→10月・11月分
公的年金は、偶数月の原則15日に、直前の2カ月分がまとめて支払われます。15日が土日祝日の場合、支給日は直近の平日に前倒しされます。
現役時代のお給料とは異なり「毎月」ではなく「2カ月に1度」振り込まれるしくみですから、家計を管理するうえでのリズムもちょっと変わってきそうですね。
2. 【2024年度】厚生年金・国民年金「いくら増えたの?」モデル年金で確認
次に、冒頭で触れた「年金額引き上げ」について触れます。厚生労働省が公表した、2024年度最新の年金額の例は以下の通りです。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(※1 1人分)
- 厚生年金:23万483円(※2 夫婦2人分の「モデル年金」)
注)2023年度の既裁定者(68 歳以上の人)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万6050円(対前年度比+1234円)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万7808円(対前年度比+1758円)
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
ただし、ここでいう厚生年金は「モデル年金」と呼ばれる標準的な夫婦2人分の年金額。「夫は標準的な稼ぎがあるサラリーマン、妻は専業主婦」という状態が40年間続いた夫婦を想定しています。
共働き世帯の増加や働き方の多様化が進むいま、働き盛りの現役世代にとっての「平均的な夫婦」のイメージとはだいぶかけ離れた感がありますね。
3. 【最新版 年齢別】年金一覧表「厚生年金」60歳~89歳はひと月いくらもらっている?
さて、厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、いまのシニア世代が受け取る年金の「年齢別平均月額」を知ることができます。
60歳代・70歳代・80歳代の平均年金月額を見ていきましょう。まずはサラリーマンだった人が受け取る「厚生年金」から。
なお、記事内で紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれています。
3.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
3.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
3.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
会社員など、厚生年金に加入して働いていた人が受け取る年金額の平均額は、通常の年金受給開始年齢である65歳以降の場合、14~16万円台ですね。
先述の通り、この年金額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれている点には留意が必要です。
4. 【最新版 年齢別】年金一覧表「国民年金」60歳~89歳はひと月いくらもらっている?
では、年金制度の1階部分となる「国民年金」のみを受け取る場合についても見ていきます。
4.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万420円
- 62歳:4万2513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
4.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
4.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:5万5413円
- 81歳:5万5283円
- 82歳:5万7003円
- 83歳:5万6779円
- 84歳:5万6605円
- 85歳:5万6609円
- 86歳:5万6179円
- 87歳:5万6030円
- 88歳:5万5763円
- 89歳:5万5312円
一般的な年金受給開始年齢である65歳以上の平均月額は、全ての年齢で5万円台でした。
5. 厚生年金を「ひと月14万円以上」もらっている人の割合は?
年齢別の平均年金月額データを眺めた後は、年金の「個人差・男女差」にも目を向けてみましょう。まずは厚生年金から。
※前項同様、厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれています。
5.1 厚生年金の平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
厚生年金の受給権者全体の平均月額は14万3973円ですが、男女の平均月額は約6万円の差があります。では、この平均額に近い「月額14万円」を超える年金をひとりで受給できている人はどの程度いるのでしょうか?
5.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金を「月額14万円以上」受給できているのは全体の52.1%でした。
6. 「国民年金(基礎年金)のみ」なら平均月額はいくら?
では、国民年金のみを受け取る場合はどうでしょう?
6.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
6.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
自営業や専業主婦(夫)だった人など、国民年金のみを受け取る場合の平均月額は5万6316円でした。
まとめにかえて
今回は、2024年の公的年金額の改定や年金支給日について整理したあと、今のシニア世代が受け取っている年金月額に関するデータも紹介しました。
老後に受け取る年金は、現役時代の働き方などにより個人差が出ます。年金加入状況は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でできるだけ早めに把握しておけたらよいですね。
住宅資金や教育資金とは異なり「いつから、いくらくらい」必要となるかが見えにくいのが老後資金のちょっとやっかいなところ。
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や新しいNISA制度などの活用を検討しながら、「預貯金+アルファ」で長期的な備えをしていけたら良いですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「Q年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
吉沢 良子
