2. 現行の年金制度を見直すべき? 回答者から集められた「リアルな声」

今の公的年金制度をどのように見直すべきか

今の公的年金制度をどのように見直すべきか

出所:日本労働組合総連合会「年金に関する調査2024」

現行の公的年金制度を見直すべきという人は約7割に及びました。

その中で最も多かった意見は40.5%で「給付は税金などを財源とし、加入者は保険料を支払わない制度にする」、2位は32.6%で「厚生年金の加入対象を拡大する」となっています。

日本の年金は賦課方式といい、現役世代が納めた保険料を年金受給者に支給する仕組みになっています。

1位の意見には、少子化が進む中で現行の方式では自分が受給者になる頃には制度が破綻しているのではないかという不安や、物価高が進む中で収入から取られる保険料に対する疑問などが背景にあるのではないでしょうか。

2位の意見については国民年金と厚生年金の受給額の違いが背景にありそうです。国民年金と厚生年金の平均受給額の違いについては後半で確認していきます。

3. 「公的年金だけで生活できているシニア世帯」の割合は半数未満

様々な意見が寄せられる年金制度ですが、現在年金だけで暮らすシニアはどのくらいの割合なのでしょうか。

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」から、確認してみましょう。

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の 総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のなかで「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は44.0%。約半数であるとわかります。

やはり、年金だけで暮らすのはハードルがあるといえるでしょう。それでは、現在のシニアは年金をいくら受給しているのでしょうか。

次の章からは現在公表されている統計から、平均年金受給額について年齢別にみていきます。