4. 退職前の有給消化ルール

退職前に有給休暇が残っていると、すべて消化して退職したいと考える人も多いでしょう。

退職前の有給消化ルールについて解説します。

4.1 退職時に有給休暇を取得しても問題ない

有給休暇の取得は労働基準法に定める労働者の権利であり、労働者が自分の好きな時に取得できます。

退職前に取得する場合も同様で、残った有給休暇をすべて消化して退職することは可能です。

原則企業は、有給休暇の取得申請を拒否できません。

法律でも明記される有給休暇のルール

法律でも明記される有給休暇のルール

出所:e-Gov法令検索「民法」

ただし、企業は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、有給取得時期を変更できます。

退職申出の翌日から退職日まで有給休暇を取られてしまうと、業務に支障が出たり引継ぎができなくなることもあるでしょう。

退職日までの日数が少ないと、有給取得時期の変更によって有給休暇をすべて消化できずに退職日を迎える可能性もあります。

4.2 退職前に有給休暇を取るときの注意点

退職前に有給休暇を取るときは、勤務先の事情にも配慮することが必要です。

有給取得を円滑に進めるには、次の点に注意しましょう。

  • 早めに退職申出して、後任者の選任期間や引継期間を確保する
  • 事前に引継準備をして業務に支障が出ないようにする
  • 勤務先と話し合って取得時期や取得日数について妥協点を見つける

状況次第では、退職日を先延ばししたり有給休暇の一部を断念することもあるでしょう。

5. まとめにかえて

就業規則の支給要件を満たしていれば、ボーナスをもらって退職しても問題はありません。

ただし、退職日の一か月前までに申出を行うなど、勤務先に迷惑をかけないよう配慮が必要です。

また、有給休暇の残りをすべて消化してから退職することは可能です。

有給を取得するときも引継ぎに支障が出ないように準備するなどして、円満に退職できるように対応しましょう。

参考資料

西岡 秀泰