本日6月14日は年金支給日です。
年金は2ヶ月ごとの支給であること・今日の支給分から2.7%の増額となること・今日の支給分から定額減税が始まることなどを受け、楽しみに待っていたシニアの方も多いでしょう。
一方、現役世代の方にとっては国民年金や厚生年金の受給額にあまりピンと来ないかもしれません。
2022年度末現在において、国民年金の平均月額は5万6316円、厚生年金の平均月額は14万3973円です。
しかし、平均だけでは現状をつかむことが難しいです。
本記事では実際に支給された年金額や、政府が試算した「報酬ごとのモデル年金」について、一覧表や早見表を使って解説していきます。
特に厚生年金における
- 年齢差
- 個人差
- 男女差
の3つの差に注目しましょう。
1. 65歳から支給される国民年金と厚生年金の仕組みをおさらい
第一に、原則65歳から支給される年金とは「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」であり、それぞれ国民年金と厚生年金から支給されます。
この他に「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「障害基礎年金」「障害厚生年金」もあることを押さえておきましょう。
下記にて国民年金と厚生年金の違いをおさらいします。
公的年金は2階建ての構造となっており、1階が国民年金、2階が厚生年金です。
1.1 国民年金と厚生年金の違い
| 国民年金 | 厚生年金 | |
| 加入者 | 原則日本に住む20歳~60歳未満の人 | 公務員や会社員など |
| 受給額(月額) |
満額:6万8000円 平均:5万6316円 |
平均:14万3973円 |
| 保険料(月額) | 1万6980円 | 報酬によって異なる |
| 支給開始年齢 | 原則65歳 | 原則65歳(特別支給の老齢厚生年金あり) |
| 受給資格期間 | 10年 | 1ヶ月 |
現役時代の働き方によって加入する年金が異なり、これにより将来受給する年金も異なるということです。
次章では60歳~90歳以上の1歳刻みにて受給額を見ていきましょう。
2. 【年金一覧表で見る年齢差】国民年金の平均月額は「60歳~90歳以上」ごとにいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、国民年金から支給される老齢基礎年金の受給額について確認していきます。
2.1 国民年金の平均月額(60歳~69歳)
【写真1枚目/全11枚】60歳代の国民年金額。70歳以降の金額や年収ごとの年金は次の写真をチェック!1/11
出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
- 60歳:4万2616円
- 61歳:4万420円
- 62歳:4万2513円
- 63歳:4万3711円
- 64歳:4万4352円
- 65歳:5万8070円
- 66歳:5万8012円
- 67歳:5万7924円
- 68歳:5万7722円
- 69歳:5万7515円
2.2 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:5万7320円
- 71歳:5万7294円
- 72歳:5万7092円
- 73歳:5万6945円
- 74歳:5万6852円
- 75歳:5万6659円
- 76歳:5万6453円
- 77歳:5万6017円
- 78歳:5万5981円
- 79歳:5万5652円
2.3 国民年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:5万5413円
- 81歳:5万5283円
- 82歳:5万7003円
- 83歳:5万6779円
- 84歳:5万6605円
- 85歳:5万6609円
- 86歳:5万6179円
- 87歳:5万6030円
- 88歳:5万5763円
- 89歳:5万5312円
2.4 国民年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:5万1974円
65歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者となっています。
65歳以降でみると、いずれも平均で月5万円台となりました。全体平均と大きな違いはないようです。
続いて厚生年金についても確認しましょう。
3. 【年金一覧表で見る年齢差】厚生年金の平均月額は「60歳~90歳以上」ごとにいくら?
同様に厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金における年齢別の平均月額を確認しましょう。
なお、以下の厚生年金はすべて国民年金部分を含みます。
3.1 厚生年金の平均月額(60歳~69歳)
- 60歳:9万4853円
- 61歳:9万1675円
- 62歳:6万1942円
- 63歳:6万4514円
- 64歳:7万9536円
- 65歳:14万3504円
- 66歳:14万6891円
- 67歳:14万5757円
- 68歳:14万3898円
- 69歳:14万1881円
3.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:14万1350円
- 71歳:14万212円
- 72歳:14万2013円
- 73歳:14万5203円
- 74歳:14万4865円
- 75歳:14万4523円
- 76歳:14万4407円
- 77歳:14万6518円
- 78歳:14万7166円
- 79歳:14万8877円
3.3 厚生年金の平均月額(80歳~89歳)
- 80歳:15万1109円
- 81歳:15万3337円
- 82歳:15万5885円
- 83歳:15万7324円
- 84歳:15万8939円
- 85歳:15万9289円
- 86歳:15万9900円
- 87歳:16万732円
- 88歳:16万535円
- 89歳:15万9453円
3.4 厚生年金の平均月額(90歳以上)
- 90歳以上:15万8753円
同じく65歳未満が少なくなっていますが、これは特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、主に定額部分のない、報酬比例部分のみの者となっているためです。
一般的な年金受給開始年齢である65歳以降をみると、平均で月額14~16万円台となりました。年齢があがるにつれ平均月額が上がる傾向にあるようです。
年金額を決定する乗率は改定されており、徐々に減少していることが影響しています。
以上までの内容において、年齢差は厚生年金において確認されました。
次に注目したいのが「個人差」です。政府が公表するモデル年金から見ていきましょう。
4. 【年金早見表で見る個人差】厚生年金の月額は「現役時代の報酬」ごとにいくら?
政府はこれまで毎年、標準的な夫婦世帯として「平均的な稼ぎの夫と専業主婦」をモデルとして年金額を公表してきました。
しかし働き方が多様化する現代において、モデル世帯に当てはまらない家庭が多いこともあり、「多様な世帯構成を踏まえた年金水準」が公表されました。
こちらをもとに、現役時代の報酬ごとのモデル年金を見ていきましょう。
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万000円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
共働きでどちらも厚生年金に加入していれば、合計で月額20万円以上の収入を目指すことができそうです。
しかし、実際には共働きであっても正社員以外の働き方を選択することも多く、十分な年金が受け取れるとは言いにくいでしょう。
厚生年金の平均額は14万円台ではあるものの、このように個人差があるという点に注意が必要なのです。
最後に男女差についても見ていきましょう。
5. 【年金グラフで見る男女差】国民年金と厚生年金の月額は男女別にいくら?
最後にグラフを使い、男女別の年金月額も比較してみます。
5.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均月額
- 〈全体〉平均月額:5万6316円
- 〈男性〉平均月額:5万8798円
- 〈女性〉平均月額:5万4426円
まず国民年金についてですが、どちらも平均月額は5万円台で男女差はありませんでした。
5.2 厚生年金の平均月額
- 〈全体〉平均月額:14万3973円
- 〈男性〉平均月額:16万3875円
- 〈女性〉平均月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
続いて厚生年金ですが、こちらは男女で顕著に違いが見られます。全体では月14万円台でしたが、男女別に見ると約6万円の差がありますね。
現在年金を受給する世代においては、女性の方が男性に比べて賃金が低かったこと、育児や介護などライフイベントで働き方が変わりやすかったことなどが理由と考えられます。
共働きが増えた今、こうした男女差は徐々に埋まることが予想されます。しかし先述のとおり、共働きといっても夫婦ともに正社員でフルタイムという家庭ばかりではなく、妻が働き方をセーブすることも多いです。
完全に年金の男女差がなくなるのは、まだ先になるのかもしれません。
6. 年金も見据えたキャリアプランを
厚生年金と国民年金の平均月額を見てきましたが、深堀りすることで「年齢差・個人差・男女差」があるとわかりましたね。
年齢差は制度によるものなので、個人で対策はできません。減る分を独自で備えて行く必要があるでしょう。
一方、個人差や男女差は現役時代の働き方によるものです。
今の生活ももちろん大切ですが、将来の年金にも影響するということを念頭に置いて、慎重にキャリアを選択していきたいですね。
公的年金を増やすことに限界がある場合、個人年金保険やiDeCo等で指摘に備えるのもひとつです。
参考資料
太田 彩子