一般財団法人 労務行政研究所は、東証プライム上場企業の「2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」の結果を公表しました。
各業種において、2023年よりも賞与額がアップした結果となりましたが、具体的にどのくらい賞与が上がる見込みがあるのでしょうか。
本記事では、一般財団法人 労務行政研究所の調査結果をもとに、2024年の夏季賞与の具体的な金額について紹介していきます。
年代別における「手取り収入からの貯蓄割合」や「平均貯蓄額」についても紹介しているので、夏のボーナスを貯蓄に回す割合の参考にしてください。
1. 2024年夏季賞与(東証プライム上場企業)は84万6021円!
一般財団法人 労務行政研究所は、東証プライム上場企業を対象に夏季賞与・一時金について調査を実施し、2024年5月8日に公表しました。
上記調査の結果、東証プライム上場企業の全産業の夏季賞与は84万6021円となり、前年と比較して4.6%の増額となっています。
産業別に2024年の夏季賞与額を見ると、製造業は4.3%増、非製造業は6.6%増となっており、全体的に賞与額が上がっていることがわかります。
2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で夏季賞与が減少しましたが、2022年以降からは賞与額がプラスとなり、2024年で3年連続の増加となります。
上記から、多くの上場企業で賞与の増額が期待できますが、賞与の使い道の一つとして「貯蓄」を選択する人も多いでしょう。
では、各年代において手取り収入からどのくらいの貯蓄をしているのが一般的なのでしょうか。
次章にて、手取り収入からの貯蓄割合について確認していきましょう。
2. 【年代別】手取りからどのくらい貯蓄に回している?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20歳代〜70歳代における「手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合」は下記の結果となりました。
- 20歳代:二人以上世帯14%・単身世帯18%
- 30歳代:二人以上世帯14%・単身世帯17%
- 40歳代:二人以上世帯12%・単身世帯14%
- 50歳代:二人以上世帯12%・単身世帯14%
- 60歳代:二人以上世帯11%・単身世帯10%
- 70歳代:二人以上世帯8%・単身世帯6%
現役世代となる20歳代〜50歳代の、手取り収入からの貯蓄割合は15%前後となっています。
「賞与の一部を貯蓄に回したい」と考えている方は、上記の割合を目安に貯蓄に回してみてはいかがでしょうか。
なお、日々の収入においても10〜15%を貯蓄に回せると良いでしょう。
もし手取り収入からの貯蓄割合が10%に満たない場合は、下記の対策を実践してみることをおすすめします。
- 固定費の見直し:通信費や家賃などの固定費を見直してみる
- 変動費の見直し:自炊を心がけたり、日用品はまとめ買いをしたりする
- 収入を増やす:転職や副業を検討する
上記の対策に加えて、貯蓄の目的を明確にしておけると良いでしょう。
たとえば、「老後のために何歳までにいくら貯める」「マイホームの購入資金までに毎年いくら貯める」などを決めておくことで、モチベーションの維持につながります。
その際、具体的な貯蓄額も決めておけると、より計画が立てやすくなります。
次章にて、年代別の平均貯蓄額を紹介していくので、貯蓄額設定の参考にすると良いでしょう。
3. 【20~70歳代】平均貯蓄額(平均値・中央値)をみる
では、最後に各年代における平均貯蓄額(平均値・中央値)をみていきましょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、20〜70歳代の平均貯蓄額は下記の結果となりました。
3.1 二人以上世帯の貯蓄額
- 20歳代:平均値249万円・中央値30万円
- 30歳代:平均値601万円・中央値150万円
- 40歳代:平均値889万円・中央値220万円
- 50歳代:平均値1147万円・中央値300万円
- 60歳代:平均値2026万円・中央値700万円
- 70歳代:平均値1757万円・中央値700万円
3.2 単身世帯の貯蓄額
- 20歳代:平均値121万円・中央値9万円
- 30歳代:平均値4万円・中央値100万円
- 40歳代:平均値9万円・中央値47万円
- 50歳代:平均値91万円・中央値80万円
- 60歳代:平均値68万円・中央値210万円
- 70歳代:平均値9万円・中央値500万円
平均値は、貯蓄額に大きな差がある場合、偏ってしまう傾向があります。
より正確で実態に近い貯蓄額を知りたい場合は、中央値を参考にすることをおすすめします。
二人以上世帯の中央値を見ると、年代が上がるにつれて増加傾向は見られますが、70歳代でも1000万円に到達しておらず、夫婦で老後資金700万円では心もとないと感じる人も多いでしょう。
また、どの年代においても平均値と中央値の差が大きく開いていることから、「貯蓄が多い世帯」と「貯蓄が少ない世帯」で二極化していることがうかがえます。
なお、単身世帯も同様に平均値と中央値の差が大きく、二人以上世帯よりも貯蓄額が少ない傾向にあります。
これは、共働き世帯が増えているため、二人以上世帯の方が貯蓄に回せる金額がトータル的に多くなっていることが要因の一つとして考えられます。
単身世帯の中央値を見ると、50歳代までは貯蓄額が100万円以下であり、70歳代においても500万円となっています。
おひとりさまとして老後生活をスタートさせる場合、日々の生活費や医療費、介護費だけでなく、移動手段や買い物などでもサービスを利用する機会が増えるため、余裕のある貯蓄を準備しておくことをおすすめします。
4. 貯蓄が苦手な人は「先取り貯蓄」を実践しよう
本記事では、一般財団法人 労務行政研究所の調査結果をもとに、2024年の夏季賞与の具体的な金額について紹介していきました。
2024年の夏季賞与(東証プライム上場企業)は84万6021円と、3年連続で増加傾向となっています。
普段の手取り収入を貯蓄に回せていない人は、夏のボーナスを機に貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。
貯蓄が苦手な方は「先取り貯蓄」を実践してみることをおすすめします。
先取り貯蓄とは、給与や賞与が振り込まれたら「先に貯蓄分の金額を別の口座に分ける」貯蓄方法を指し、先取り貯蓄をすることで、安定的に目標金額を貯蓄することが可能です。
本記事で紹介した「手取り収入からの貯蓄割合」を参考に、この夏から先取り貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 一般財団法人 労務行政研究所「東証プライム上場企業の2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
太田 彩子