コロナ禍が終息し、今年の夏こそは思い切って海外旅行を考えているという方が多いのではないでしょうか。足元では業績が好調な企業が多く、今夏はボーナスがアップする!というなら、がんばった自分へのごほうびに、家族との思い出づくりに、ボーナスの使いみちとして海外旅行を選ぶのもアリですよね。

一方で、対ドルやユーロを中心に円安が続いていることから、旅行の予算は賢く組みたいところです。「ホテルのグレードを高くしたい」「おいしい食事を満喫したい」「アクティビティに全力投球したい」「ショッピングを楽しみたい」など、旅行において「どこにお金をかけるか」は人それぞれです。後悔しないためにも、お金をかけるところはかけ、抑えるところは抑えて、メリハリをつけるのがいいかもしれません。

物価高は日本国内にとどまらず、世界中で同じ流れとなっているため、さまざまなモノの値段や料金が大きく変動しがちとなっています。パッケージ旅行ではない場合は、事前にすべてを正確に把握して予算を立てるのは難しいですが、予算の大部分を占める日本発の航空券は日本円で決済できることから、早めに確定できるものは確定しておくことがおすすめです。早割やセールをうまく利用して金額を抑えるのもいいですね。

今回の記事では、海外旅行に行くなら必ず確認したい「燃油サーチャージ」について解説します。

記事の後半では、人気の韓国とハワイのフライトにかかる実際の料金を掲載しています。

ぜひ、夏の旅行の予算を考える参考にしてみてください。

1. そもそも「燃油サーチャージ」とはなんですか?

航空券の予算を立てる際に、運賃だけでなく「燃油サーチャージ」も考慮する必要があります。

「燃油サーチャージ」とは、航空券の価格に上乗せされる追加運賃の一部で、航空燃料費用をカバーするために航空会社が利用者から徴収するものです。正式には「燃油特別付加運賃」といい、原油価格の高騰に伴って、航空会社が企業努力では吸収しきれない燃料費用を利用者に分担してもらう制度となっています。日本の航空会社では2005年に開始され、コロナ禍などもあって廃止された時期もありましたが、現在は徴収しています。

1.1 燃油サーチャージは「航空会社」や「行き先」によってさまざま

燃油サーチャージは各航空会社が目的地ごとに金額を設定します。このため燃油サーチャージの額は、各航空会社によって異なり、日本の航空会社ではシンガポール市場で取引されるジェット燃料(シンガポール・ケロシン)の価格に基づいて算出されます。料金は予約日や搭乗日ではなく、「チケットが発券される日」によって確定されます。たとえば、6月にチケットを購入(発券)した場合、搭乗日が9月や10月といった先の予定でも、購入(発券)時の燃油サーチャージが適用されます。

なお、燃油サーチャージは子どもや幼児(座席使用の場合)も大人と同額です。座席を使用しない幼児は対象外となります。

1.2 燃油サーチャージは「2カ月ごと」に見直される

燃油サーチャージは、日本の大手航空会社であるJALとANAでは、2カ月ごとに見直しが行われます。このため、2024年6月と7月の燃油サーチャージが適用された後、次の見直しは2024年8月と9月の発券分に対して行われます。見直しは、発券する月に先立って航空会社が国土交通省に申請を行い、認可された後、新しい燃油サーチャージの適用額が確定されるという流れとなっています。旅行の予算を考える際には、こうした燃油サーチャージの見直しスケジュールも考慮に入れておくとよいでしょう。

それでは次のページで、人気の高い韓国線とハワイ線を例にとって6〜7月の燃油サーチャージを一覧表で見ていきましょう。