J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024(二人以上世帯)」によると、60歳代・70歳代の約3割が「年金だけでは日常生活費も難しい」と回答。物価高や医療・介護費への懸念の高まりがうかがえます。

公的年金(老齢年金)の平均月額が国民年金で5万円台、厚生年金(国民年金含む)で14万円台という現状の中、老後の生活費に対する不安は深刻です。

年金収入やその他の所得が一定基準以下の年金受給者を支援するため、年金に上乗せして2カ月に一度支給される「年金生活者支援給付金」という制度があります。この給付金は、受給している年金の種類に応じて3つに分かれ、それぞれ支給要件や金額が定められています。

今回は、この「年金生活者支援給付金」の支給要件、金額、申請方法などを整理してお伝えしていきます。

1. 年金に上乗せされる《年金生活者支援給付金》を知っていますか

「年金生活者支援給付金」は、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、2カ月に一度、年金に上乗せして支給される給付金です。

受給中の年金種類により「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれており、それぞれで支給要件や支給額などが決められています。

1.1 【年金生活者支援給付金】2025年度は前年度より2.7%引き上げ

2025年度の年金生活者支援給付金の給付(基準)額は、2024年度から2.7%のプラス改定となっています。

【2025年】年金生活者支援給付金の支給金額

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」をもとにLIMO編集部作成

【2025年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。

上記はいずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分まとめて、年金に上乗せされます。上記の金額通りを受給できる場合、1回の支給で約1万円、年額にすると約6万円です。

※2024年3月において認定されている平均給付金額です。