4. 新NISAを活用して老後に備えよう
この記事では、新NISAの概要や実際のシミュレーション結果を紹介しました。
2024年から導入された新NISAを活用することで、非課税メリットを享受することができます。
年金支給が始まっても働く人が増えてきた昨今、筆者の元にも「老後の備えとして資産運用を検討している」というお客様が訪れます。
老後も働いて収入を得ることはできますが、現役時代のうちから「お金に働いてもらう」という方法で収入を増やす方がより効率的かもしれません。
今回は10年間での資産運用をシミュレーションしましたが、NISAでの資産運用は長期投資が肝です。
早いうちから税制メリットを受けられるよう、興味がある方はまずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
5. 新NISAのよくあるご質問(FAQ)
ここからは、新NISAにまつわるよくある質問について紹介していきます。
5.1 Q1.非課税保有限度額が1800万円ですが、つみたて投資枠だけ、もしくは成長投資枠だけで使い切ることはできますか?
A1.つみたて投資枠だけで1800万円を使い切ることはできます。
成長投資枠だけで使い切ることも可能ですが、成長投資枠の非課税保有限度額は1200万円となっています。
5.2 Q2.非課税保有限度額は買付額ベースで管理されますか?
A2.「買付け残高(簿価残高)」で管理されます。
また、NISA口座内の商品を売却した場合には、その商品の簿価分の非課税枠が再利用できるようになります。
5.3 Q3.非課税保有限度額を管理するとのことですが、金融機関は変更できますか?
A3.金融機関は変更できます。非課税保有限度額については国税庁において一括管理を行います。
なお、金融機関変更の方法やスケジュールはご利用の金融機関で事前に確認しましょう。
5.4 Q4.「貯蓄」と「投資」はどう違う?
「貯蓄」は、銀行の普通預金や定期預金など安全性重視の金融商品にお金を貯めていくことを指します。一方、「投資」は、投資信託や株式など元本割れリスクを伴う金融商品にお金を投じて資産を増やすことを目的としています。
広義では、貯蓄に投資信託や株式、債券、外貨預金などを含む場合がありますが、「貯蓄と投資」で区別する場合には、以下のように使い分けるのが一般的です。
- 貯蓄=元本割れリスクなし(普通預金・定期預金など)
- 投資=元本割れリスクあり(投資信託・株式・債券・外貨預金など)
5.5 Q5.「貯蓄」も「資産運用」に含まれる?
「資産運用」とは、資産(お金)を金融商品を通じて効率的に増やす、あるいは貯めていくことを指します。
一般的に、投資信託や株式などにお金を投じて利益を期待することを資産運用という場合が多いようですが、銀行の普通預金や定期預金などで得られる利息も、お金を運用することによって得られるものですので、資産運用となります。
貯蓄は、広義では預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産全般を指しますので、資産運用には貯蓄も含まれるということになるでしょう。
- 資産運用=金融商品を通じて資産(お金)を効率的に増やす、あるいは貯めていくこと
- 貯蓄=預貯金や投資信託、株式、債券、外貨預金、不動産、保険などの金融資産
参考資料
- 株式会社フォーイット「新NISAに関するアンケート(Mediverse調査)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「NISAを知る」
- 金融庁「新しいNISA Q&A」
- 一般社団法人 全国銀行協会「Q.「貯蓄」と「投資」はどう使い分けるのですか?」
- 金融庁「投資の基本」
- 日本証券業協会「資産運用とは?」
- 金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」
菅原 美優