2. 50歳からの積立投資「毎月10万円」で10年後に資産額はいくらになる?
では、50歳代からNISAを始めたら、老後までにどのくらいの資産を作れるのでしょうか。
ここでは、金融庁が公開している「つみたてシミュレーター」を使って、60歳までに増やせる資産額をシミュレーションしていきます。
新NISAのつみたて投資枠は年間120万円までが非課税となります。今回はこの枠を最大限活用する「毎月10万円」という金額でシミュレーションしてみましょう。
2.1 50歳から「毎月10万円×利回り5%」で10年間投資した場合
50歳の人が10年間、利回り5%で毎月10万円の積立投資をした場合、下記のシミュレーション結果となりました。
- 運用結果:1553万円
- 運用利益:353万円
- 投資元本:1200万円
投資元本1200万円に対し、運用利益が353万円出る結果となりました。
通常の課税口座で資産運用を行った場合、利益に対して約20%の税金がかかります。
新NISAの場合は運用利益が「すべて非課税」となるため、税金を考慮せずに利益を最大化できるのがメリットです。
金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」によると、今回のシミュレーションで想定した「利回り5%」は国内の主な株価指数(日経平均)に20年間つみたて投資をした場合と同程度の水準になります。
なお、同資料によると米国では「利回り9.1%」となっています。
では、積立条件は先ほどと同じで「利回り9%」ではどの程度資産が増えるか、シミュレーションしてみましょう。
2.2 同じ条件で「利回り9%」なら資産はどうなる?
次は、「毎月10万円を10年間」という条件は変えずに「利回り9%」で積立投資したときのシミュレーションをみてみましょう。
- 運用結果:1935万円
- 運用利益:735万円
- 投資元本:1200万円
利回り9%での積立投資は最終結果が「1935万円」となっており、2000万円にも届きそうな勢いで資産が増えていることが分かりました。
利回り9%というと主要な投資対象は米国や新興国が想定されます。高いリターンを期待できる代わりにそれなりのリスクを伴って運用していくことになります。
リスクの大小にかかわらず、NISAでの資産運用は結果を保証するものではありません。
ゴール時点で資産額が減少している可能性もあるので、本シミュレーションはあくまで参考程度としていただければと思います。
ただし、考えられるリスクは長期投資や資産の分散投資により軽減させることができます。
次章では、ファイナンシャルアドバイザーから資産運用のアドバイスをお届けします。