公的年金の支給日は2カ月に一度。偶数月の15日(※1)に、その前月までの2カ月分が支払われます。
2024年度の公的年金額は、前年度から原則2.7%(※2)の引き上げが公表されており、来たる6月14日に支給される「4月・5月分」から、引き上げ後の年金額となります。
日本年金機構のホームページに記載されている年金額の例によると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万8000円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は23万483円。
とはいえ、こちらはあくまでも「年金額の例」。実際老後に受け取る年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差が出てきます。
今回は、厚生労働省の資料をもとに、いまのシニア世代がどの程度の年金を受け取れているのかを見ていきましょう。
(※1)15日が土・日・祝祭日の場合、直前の平日に支払われます。
(※2)1956(昭和31)年4月1日以前生まれの人の老齢基礎年金(満額)は月額6万7808円です。
1. 【老齢年金】国民年金の年金受給額「みんな、いくらもらっているのか」
自営業やフリーランスなどの「第1号被保険者」、専業主婦(主夫)などの「第3号被保険者」で、厚生年金加入期間がない人が老後に受給するのは「国民年金(老齢基礎年金)」です。
国民年金保険料は全員同額(※3)で、20歳~60歳のすべての期間納付した場合、老後に満額の国民年金が受け取れます。未納期間がある場合、その月数に応じて満額から差し引く仕組みになっています。
(※3)2024年度の国民年金保険料:1万6980円(月額)
1.1 【男女別グラフ】国民年金の受給額
1.2 国民年金・平均年金月額
- 全体…5万6316円
- 男性…5万8798円
- 女性…5万4426円
国民年金【男性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
- ~1万円未満…1万2091人
- 1万円以上~2万円未満…5万5225人
- 2万円以上~3万円未満…21万1847人
- 3万円以上~4万円未満…65万8993人
- 4万円以上~5万円未満…136万2403人
- 5万円以上~6万円未満…342万2304人
- 6万円以上~7万円未満…831万511人
- 7万円以上…40万9668人
国民年金【女性】年金月額階級別老齢年金受給権者数
- ~1万円未満…5万3569人
- 1万円以上~2万円未満…21万9105人
- 2万円以上~3万円未満…66万9218人
- 3万円以上~4万円未満…200万2527人
- 4万円以上~5万円未満…329万3371人
- 5万円以上~6万円未満…482万3874人
- 6万円以上~7万円未満…653万6980人
- 7万円以上…137万3941人
国民年金(老齢基礎年金)のみを受け取る場合の平均年金月額は、男女ともに5万円台。個人年金保険やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)など、自分で年金を準備している人も多いでしょう。
また、国民年金基金の活用、付加保険料の納付、任意加入制度など、国民年金の受給額自体を増やすしくみの活用も検討できますね。
2. 【老齢年金】厚生年金の年金受給額「みんな、いくらもらっているのか」
では厚生年金についても見ていきましょう。
国民年金の年金保険料は全員一律でしたが、厚生年金の年金保険料は、収入に応じて決められます。その金額が、保険料納付期間(月数)とともに将来受け取る年金額に影響します。
上限額はありますが「多く稼ぎ、長く働けば、老後の年金額は多くなる」が基本。よって、国民年金とは異なり個人差が大きいのが特徴です。
2.1 【男女別グラフ】厚生年金の受給額
2.2 厚生年金保険(第1号)平均年金月額
全体…14万3973円
- 男子…16万3875円
- 女子…10万4878円
【男性】厚生年金保険(第1号)年金月額階級別老齢年金受給権者数
- 1万円未満:4万2520人
- 1万円以上~2万円未満:1万79人
- 2万円以上~3万円未満:4930人
- 3万円以上~4万円未満:7128人
- 4万円以上~5万円未満:2万2573人
- 5万円以上~6万円未満:5万6631人
- 6万円以上~7万円未満:16万3911人
- 7万円以上~8万円未満:24万2231人
- 8万円以上~9万円未満:24万8550人
- 9万円以上~10万円未満:27万422人
- 10万円以上~11万円未満:34万2760人
- 11万円以上~12万円未満:43万1283人
- 12万円以上~13万円未満:51万9747人
- 13万円以上~14万円未満:62万5003人
- 14万円以上~15万円未満:73万5371人
- 15万円以上~16万円未満:83万5773人
- 16万円以上~17万円未満:92万6898人
- 17万円以上~18万円未満:98万1435人
- 18万円以上~19万円未満:95万8567人
- 19万円以上~20万円未満:87万3863人
- 20万円以上~21万円未満:73万5334人
- 21万円以上~22万円未満:55万3806人
- 22万円以上~23万円未満:37万3837人
- 23万円以上~24万円未満:24万7558人
- 24万円以上~25万円未満:16万2911人
- 25万円以上~26万円未満:10万437人
- 26万円以上~27万円未満:5万8850人
- 27万円以上~28万円未満:3万3028人
- 28万円以上~29万円未満:1万5615人
- 29万円以上~30万円未満:7225人
- 30万円以上~:1万2164人
【女性】厚生年金保険(第1号)年金月額階級別老齢年金受給権者数
- 1万円未満:1万8838人
- 1万円以上~2万円未満:5649人
- 2万円以上~3万円未満:4万9991人
- 3万円以上~4万円未満:8万8044人
- 4万円以上~5万円未満:7万9829人
- 5万円以上~6万円未満:9万6142人
- 6万円以上~7万円未満:24万7838人
- 7万円以上~8万円未満:44万5242人
- 8万円以上~9万円未満:67万9961人
- 9万円以上~10万円未満:85万3550人
- 10万円以上~11万円未満:78万4733人
- 11万円以上~12万円未満:60万2971人
- 12万円以上~13万円未満:42万5915人
- 13万円以上~14万円未満:30万500人
- 14万円以上~15万円未満:21万7785人
- 15万円以上~16万円未満:15万8271人
- 16万円以上~17万円未満:11万3832人
- 17万円以上~18万円未満:7万6975人
- 18万円以上~19万円未満:5万1987人
- 19万円以上~20万円未満:3万6135人
- 20万円以上~21万円未満:2万3752人
- 21万円以上~22万円未満:1万5400人
- 22万円以上~23万円未満:9745人
- 23万円以上~24万円未満:5971人
- 24万円以上~25万円未満:3370人
- 25万円以上~26万円未満:1854人
- 26万円以上~27万円未満:916人
- 27万円以上~28万円未満:435人
- 28万円以上~29万円未満:178人
- 29万円以上~30万円未満:126人
- 30万円以上~:326人
厚生年金保険(第1号)の男女全体の平均月額は14万円台。
国民年金だけを受け取る場合よりも手厚い傾向にあることは確かですが、個人差・男女差が大きい点は心に留めておく必要があります。
3. 【図でわかる】国民年金+厚生年金「2階建ての年金制度」
国民年金と厚生年金の受給額事情をながめてきましたが、ここからは年金制度の基本を整理していきましょう。
3.1 国民年金+厚生年金「年金制度は2階建て」
日本の年金制度は図のように「2階建て構造」となっています。先に軽く触れましたが、1階部分の国民年金は国内在住の20歳から60歳の人全てが加入対象。年金制度のベースとなる部分です。
その国民年金に上乗せする形でサラリーマン(会社員・公務員など)が加入するのが厚生年金です。
4. まとめにかえて
今回は厚生労働省の資料をもとに、国民年金・厚生年金の受給額事情を整理してきました。
ご自身の年金見込み額はねんきんネットやねんきん定期便などで把握しておけると良いですね。
現役世代にとっては、長期的な資産づくりのプランを立てる上で参考となるほか、働き方を決めるヒントの一つにもなり得るかもしれません。
4.1 ※ご参考※【一覧表】2024年(令和6年)公的年金支給日カレンダー
2024年の年金支給日はいつ?5/5
出所:日本年金機構ホームページを参考に筆者作成
4.2 2024年(令和6年)「公的年金支給日」と「支給対象月」
- 4月15日 (月) →2月・3月分
- 6月14日 (金) →4月・5月分
- 8月15日 (木) →6月・7月分
- 10月15日 (火) →8月・9月分
- 12月13日 (金)→10月・11月分
参考資料
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
吉沢 良子