老後への不安が高まる現代ですが、まずは「公的年金の受給額の目安」を知ることが大切です。
実は、老齢厚生年金の平均額は男性で16万3875円、女性で10万4878円。その差は年額にして70万7964円です。
老後の年収が70万円以上も変わるとなると、その差は大きく感じます。数字に興味を持たれた方は、働き方ごとのモデル年金や自分自身の年金見込額の確認方法を知っておきましょう。
6月支給分の年金は、前年度比2.7%の増額となります。年金額の詳細や、男女の年金格差について紹介します。
1. 厚生年金と国民年金の違いを押さえる
まず押さえておきたいのが、厚生年金と国民年金の違いについて。特に若い方は、「自分がどちらの年金に加入しているのかわからない」という方もいます。
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律で、40年間欠かさず納めれば満額の「老齢基礎年金」がもらえる
- ただし第2号被保険者は厚生年金保険料を払い、第3号被保険者は保険料を払う必要がない
1.2 厚生年金(2階部分)
- 第2号被保険者である公務員やサラリーマンなどが、国民年金に上乗せして加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる老齢厚生年金額が決まる
個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。
また、受給できる年金には遺族年金や障害年金などもありますが、今回は老齢年金について見ていきます。
その個人差や男女差について深堀りしましょう。