2024年度の国民年金・厚生年金の支給額は、2023年度より原則2.7%引き上げられます。2023年度も2022年度から2.2%の引上げとなったため、2年連続で増額となっています。
食料品や日用品の値上がりが続く中、年金支給額が増えるのは喜ばしいことですが、実際にはみんなはいくら受給しているのでしょうか。
本記事では、65歳から79歳の国民年金・厚生年金の年齢ごとの平均受給額を解説していきます。
1. 2024年度は2023年度より2.7%引き上げ
冒頭でもお伝えしたように、2024年度の国民年金・厚生年金は、2023年度から原則として2.7%引き上げられます。
【昭和31年4月2日以降生まれの方の場合】
国民年金は、2023年度が6万6250円だったものが1750円の増額となり6万8000円に、厚生年金は22万4482円だったものが6001円の増額で23万483円となります。
なお、国民年金は保険料を40年間(480月)納付した場合の、満額が支給される際の金額です。厚生年金は、平均的な収入で40年間勤めた場合の、厚生年金と2人分の国民年金の合計額です。
1.1 しかし実質的には目減りという現実
国民年金・厚生年金は2.7%引き上げとなりましたが、「生活が楽になった」と実感できている方はそう多くはないでしょう。というのも、「マクロ経済スライド」が発動され、受給額は実質的に目減りしているからです。
マクロ経済スライドとは、現役世代の保険料納付負担が過度に増大しないように、現役世代の人口減少や平均余命の伸びなどを元に、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みのことです。
2024年の物価変動率は3.2%、名目手取り賃金変動率は3.1%で、マクロ経済スライドによるスライド調整率は▲0.4%です。より数値の小さい名目手取り賃金変動率3.1%からスライド調整率の0.4%を差し引いて、年金額は2.7%の増額となりました。
物価上昇率が3.2%なので、年金額が2.7%増額になっても値上げに追い付けず、生活にゆとりが出るどころか依然として値上げの影響を受け続けることになるのです。
では実際に、現在の年金受給者はどのくらいの金額を受け取っているのか、次章で確認していきましょう。