2024年度に支給される厚生年金と国民年金は、2023年度よりも2.7%の増額となります。2023年度は2022年度から2.2%の増額であったため、2年連続で増額ということになります。
年金額が増えるのは喜ばしいことですが、年金支給額はそのままの金額が振り込まれるわけではなく、保険料や税金が天引きされるのが一般的です。
では、実際にいくら受け取れるのでしょうか。それは、毎年6月に送付される「年金振込通知書」を見れば明らかになります。
本記事では、2024年度の年金額の支給水準や、年金振込通知書の見方について解説していきます。
1. 2024年度の年金は2.7%の引上げ
2024年6月14日に支払われる厚生年金と国民年金は、2023年度から2.7%引き上げられています。2023年度も2022年度から2.2%の引上げだったため、2年連続の増額となっています。
1.1 国民年金は前年度より1750円の増額に
2022年度の国民年金は月額6万4816円でしたが、2023年度には2.2%引き上げられ、6万6250円となり1434円の増額となりました。2024年度は2023年度から2.7%引き上げられ、6万8000円となり1750円の増額となります。
2024年度の年額は満額で81万6000円となり、2023年度よりも2万1000円増額された金額を受給できます。
ただし、満額受給できるのは、保険料を40年間(480月)納付した方のみです。保険料の未納がある場合は、その月数分が減額されます。たとえば、納付済月数が36年(432月)の場合の年間受給額は、73万4400円です。
計算式:81万6000円×432/480月=73万4400円
なお、この金額は昭和31年4月2日以降生まれの方の場合であり、昭和31年4月1日以前に生まれた方は月額6万7808円です。
1.2 厚生年金は標準的な夫婦二人で6001円の増額
厚生年金の受給額例は、現役時代の平均標準報酬額が43万9000円で40年間勤めた場合に受け取れる年金で、厚生年金と二人分の国民年金(満額)が給付水準となっています。
この給付水準において、2022年度は21万9593円でしたが、2023年度は2.2%引き上げられ22万4482円となり、4889円の増額となりました。さらに、2024年度は2023年度よりも2.7%引き上げられ23万483円となり、6001円の増額になります。
年額では276万5796円となり、昨年度より7万2012円増える計算です。1年間に約7万円増えると、昨今の物価高による家計への影響を緩和できることが期待されます。
本章で解説した国民年金と厚生年金の受給額の目安は、あくまでも日本年金機構が設定した例であり、実際に各個人が受給できる年金額はそれぞれ異なります。
実際にご自身が受給できる金額は、「年金振込通知書」でご確認ください。
次章以降で「年金振込通知書」がいつ送付され、何が記載されているかを解説していきます。