令和6年度の年金額は、昨年度よりも2.7%引き上げられており、4月分の年金から適用されています。6月14日の年金支給日には4月分と5月分の2か月分が振り込まれるため、増額された金額が今回はじめて支給されることになります。

2.7%の引き上げになると、実際にどのくらいの金額が受給できるのでしょうか。日本年金機構ではモデルケースを例にして、年金額の目安を公表しています。

しかし、実際に口座に振り込まれるのは保険料や税金が天引きされた金額になるため、年金支払額よりも少なくなるのが一般的です。

本記事では、令和6年度の年金受給額の目安や、天引きされる項目の内容について解説していきます。

1. 令和6年度の年金は2.7%増額

令和6年6月14日に支払われる厚生年金と国民年金は、令和5年度から原則として2.7%の増額で、具体的な金額は以下の通りです。

【写真2枚】1枚目/令和6年度の年金額の例、2枚目/年金振込通知書の見本

令和6年度の年金額の例

出所:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」をもとに筆者作成

1.1 国民年金は1750円の増額

6月支給分からの国民年金は月額6万8000円で、令和5年度の6万6250円よりも1750円の増額です。年額では満額で81万6000円を受給でき、昨年度よりも2万1000円増額されます。

ただし、満額受給できるのは、保険料を40年間(480月)納付した方で、未納月がある場合はその分減額されます。

たとえば、納付済月数が35年(420月)の場合の受給額は、71万4000円です。

計算式:81万6000円×420/480月=71万4000円

なお、この金額は昭和31年4月2日以降生まれの方の場合で、昭和31年4月1日以前生まれの方は月額6万7808円、年額では81万3696円となります。

1.2 厚生年金はモデルケースで6001円の増額

厚生年金の受給額例は、夫婦二人の国民年金を含んだ標準的な年金額が示されています。

具体的には、平均標準報酬額43万9000円で40年間勤めた場合に受け取る年金で、厚生年金と二人分の国民年金(満額)が給付水準となっています。

厚生年金は、現役時代の収入や厚生年金の加入期間などにより年金額が決まるため、実際には個人により金額が異なるのが一般的です。

そのため、このモデルケースはあくまでも目安のひとつとして参考にすると良いでしょう。

このモデルケースにおいては、令和6年度の支給額は23万483円で、令和5年度の22万4482円よりも6001円増額の増額です。年額では7万2012円増えることになります。

なお、本章で解説した年金額は、額面金額であり実際に口座に振り込まれる手取り額はそれよりも少ない金額になっています。

次章で、年金から天引きされる保険料や税金について確認しましょう。