次回の年金支給は、6月14日(金)に予定されています。
「年金収入だけでは暮らしづらい」というような意見が見受けられるなかで、年金収入が60万円と聞いた際、素直に納得できる方はどのぐらいいるでしょうか。
元銀行員の私はかつての銀行での姿を思い出しながら、正直「そんなにもらえるなんて何か別のものと勘違いしているのではないか」と思ってしまいます。
実際に前職の銀行員時代に年金生活者とお話する機会もありましたが、みなさんしきりに「年金だけでは暮らしていけない」とおっしゃっていました。
今回は、本当に一度の年金支給日に60万円もの年金が支給される高額受給者は存在するのか検証していきます。
記事の後半では、公的年金に頼りすぎない対策をチェックしていきましょう。
1. 【最新】現代シニアが受給する国民年金の平均月額はいくら?
まずは、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金の平均受給月額をチェックしていきましょう。
1.1 【全体・男女別】「国民年金」平均受給月額
- 男女全体平均月額:5万6316円
- 男性平均月額:5万8798円
- 女性平均月額:5万4426円
1.2 【全体・男女別】年金受給額別「国民年金」受給権者数の一覧表
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金の平均受給額は全体で月5万6316円でした。
男女での差はそこまでなく、ボリュームゾーン的には「6万円以上~7万円未満」の受給者が最多なようです。
ちなみに、2024年度の国民年金の満額は「6万8000円」。ほとんどが満額に近い金額を受給しているといえます。
次の章では、厚生年金の受給月額をみていきましょう。
2. 男女差は顕著なのか…現代シニアが受給する「厚生年金」平均月額はいくら?
次に、厚生労働省の同じ統計データをもとに、厚生年金の平均受給月額をチェックしていきます。
2.1 【全体・男女別】「厚生年金」平均受給月額
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
2.2 【全体・男女別】年金受給額別「厚生年金」受給権者数の一覧表
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
厚生年金の平均受給月額は全体で月14万3972円でした。
月額30万円以上の受給者は1万2490人で、全体の約0.08%にとどまっています。ちなみに、男性は1万2164人で約0.11%、女性は326人で約0.001%程。かなり限られているといえるでしょう。
これらの平均受給額や人数から考えると、現代の日本の公的年金制度における年金収入だけで約60万円が支給される人はかなり珍しいような印象があります。
次の章で「1回の支給日で年金を約60万円受給する人」の背景を探ります。
3. 【解説】年金の支給日に「約60万円」支給される人がいる理由とは
結論、年金支給日に約60万円を支給されるのは「2ヶ月分まとめて支給される」ため。
厚生年金や国民年金は、毎月ではなく、原則として年に6回、偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)が支給日となっています。
月額30万円を受給している人は、1度の支給日に60万円が支給されるのです。
なお、次回支給日は6月14日(金)ですので、支給日までうまく家計管理して乗り切りましょう。
3.1 2024年の年金カレンダー:支払対象月【一覧表】
- 2024年2月15日(木):2023年12月分・2024年1月分
- 2024年4月15日(月):2024年2月分・2024年3月分
- 2024年6月14日(金):2024年4月分・2024年5月分
- 2024年8月15日(木):2024年6月分・2024年7月分
- 2024年10月15日(火):2024年8月分・2024年9月分
- 2024年12月13日(金):2024年10月分・2024年11月分
次の章では、公的年金に頼りすぎない対策について解説していきます。
4. 【元銀行員が解説】高額年金受給者になるのは難しい…対策は?
ここまでで、60万円の年金収入のしくみについては十分にご理解いただけたかと思います。
「60万円も年金収入があったらバラ色の老後生活が待っていたのに……」と落胆された方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、割合としては非常に少なくなっているのが現状。老後の収入源である公的年金が、実質的には目減りしてきているといわれます。
自分の年金受給金額については「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認してみてください。
また、公的年金制度以外にも目を向けてみるのも一つの手。老後生活の支えとなるのは公的年金だけではありません。
iDeCoやNISAなど国が主導する制度や、個人年金保険などを活用することで、自分で自分の年金を作ることも可能です。
公的年金+自分年金の2つの収入源で考えれば、ちゃんとした理想の老後生活を実現できるかもしれません。
お金に働いてもらいながら、老後生活のための準備を進めていきましょう。
働き方、家族構成、住まいなど価値観によってさまざまなライフプランが考えられます。
まずライフプランニングから始めて、自分の生活に合わせた「貯蓄」と「投資」を使い分けが大切だといえるでしょう。
5. まとめにかえて
1度の支給日に約60万円の年金が振り込まれる受給者は、2ヵ月分の合計として、つまり月額30万円の年金を受給している人とわかりました。
現役時代の収入や厚生年金加入期間などによって決まる厚生年金。受給額には個人差があるため、自分の年金受給額や見込額について知りたい方は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で目安額を確認してみてください。
自助努力での資産確保が求められていますが、老後に向けた無理のない資産形成について年金支給日が近づいている今こそ考えてみたいものですね。