これまで「モデル年金」として提示されてきたのは、いわゆる専業主婦世帯を前提としたものです。

具体的には、基礎年金が2人分と、男性の平均的な収入で40年間働いた場合の厚生年金を合計した金額となります。

しかし、現在は専業主婦世帯が減少傾向にあることから、単身世帯や夫婦世帯など、いくつかのパターンを考慮した年金のイメージを開示することが重要だと考えられています。

今回は、2024年5月13日に開示された厚生労働省年金局の「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点②」を基に、政府が示した年金の受給額例を紹介します。

1. 専業主婦世帯は減少傾向に

厚生労働省の資料を基に、共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移を見てみます。

【写真1枚目/全3枚】共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移。以降の写真で「単身世帯・夫婦世帯」の受給額例に迫る

出所:厚生労働省年金局「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点②」

共働き世帯が1191万世帯であるのに対し、専業主婦世帯は430万世帯のみとなりました。

昭和後期~平成初期に比べて、専業主婦世帯数は半分以下に減少していることがわかります。

日本は長らく低賃金下にあり、「モデル年金」のような片働き世帯では家計を維持するのが難しいといった理由が考えられます。

次章では、厚生労働省が公表した年金受給額のイメージを見ていきます。